日本の首相、ダカ訪問
2014年10月22日付 Prothom Alo紙

(9月7日付)
バングラデシュは国連の安全保障理事会の非常任理事国の選挙で、日本を支持するため、自らの立候補を取り下げた。シェーク・ハシナ首相は昨日土曜日午後、首相官邸で行なわれた日本の安倍晋三首相との会談の後、合同記者会見でこの決定を公にした。一方バングラデシュが日本との友好のために自らの意志を放棄するという寛大な態度を示したことについて、安倍首相はハシナ首相とバングラデシュの人々に対して深い感謝の意を表明した。
首脳会談関係者によると、1971年の独立以来、日本はバングラデシュの経済発展に継続的で力強い協力を行なうことで、真の友人であることを証明してきた。日本や日本国民の惜しみない協力を考慮してバングラデシュはこの決断を下した。バングラデシュは以前、2度(1979~80年、2000~01年)国連安保理の非常任理事国を務めた。今回は、2016~17年の期間のために立候補していた。
日本の首相は、二日間の訪問のため、昨日土曜日の昼にダッカを訪れた。ハシナ首相は空港で安倍首相を出迎えた。空港での歓迎行事の後、安倍首相はサバルの独立記念碑を訪れ、独立戦争の殉死者たちに表敬した。次に安倍首相はダンモンディのボンゴボンドゥー記念博物館を見学に訪れた。
午後シェーク・ハシナ首相との公式会談に先立ち、安倍首相は首都のホテルで二国の経済界の代表や投資家たちが参加して行われた、日本バングラデシュ経済フォーラムの会合に出席した。首脳会談後、安倍首相は大統領官邸にモハンマド・アブドゥル・ハミド大統領を表敬訪問した。このあと、安倍首相の宿泊先となっているホテルのスイートルームに、BNPのカレダ・ジア党首と国会における野党党首のロオション・エルシャドが訪れそれぞれ会談を行なった。
夜、総理はハシナ首相が開催した晩餐会に出席した。
昨日午後の公式会談に先立ち、両首脳はふたりだけで15分間の話し合いを行なった。その後約一時間の公式会談が行なわれた。会談終了後開かれた共同記者会見の冒頭で、両首脳は共同宣言に署名した。その後ハシナ首相は、バングラデシュから日本に贈られることになっている2頭の虎の子の写真のアルバムを安倍首相に手渡した。一方安倍首相は、日本で鋳造された両国の貨幣をおさめた記念品をハシナ首相に贈呈した。この記念品におさめられたバングラデシュの貨幣の片面には、バングラデシュ建国の父、シェーク・ムジブル・ラフマンの姿が描かれている。
両首相は記者会見で用意された書面を読み上げたが、記者たちに質問の機会は与えられなかった。ハシナ首相はこの中で両国間の包括的パートナーシップとBig-B・ベンガル湾産業成長ベルト構想について言及した。国連安保理の非常任理事国の選挙で、バングラデシュが立候補を取り下げることについてハシナ首相は「アジア・太平洋湾地域から2016~17年の期間の安全保障理事会の非常任理事国のために、バングラデシュは数年前に立候補を表明し、また2011年に、私たちの長年の友人である日本も同じグループから立候補した。その後2国間の相互協力と連帯を維持するため、さまざまな多国間フォーラムを通じて両国は議論を進めてきた」と述べた。
独立戦争時の日本政府とその国民からの惜しみない支援と同情を深い感謝の気持ちで想起しながらハシナ首相は「バングラデシュの発展の過程における、日本の継続的かつ強力な支援を鑑み、さらにアジア・太平洋湾地域の連帯と調和のために、この地域グループから安保理非常任理事国への日本の立候補をバングラデシュが支持することを宣言する」と語った。ちなみに、国連安保理では5カ国が常任理事国となっており、10カ国の非常任理事国のポストは、世界の様々な地域から2年ごとに国が選ばれる。
安倍首相はバングラデシュの立候補取り下げの決定について、ハシナ首相と国民に深い感謝を示した。また、2国の関係が新しい局面に発展しようとしている現在、バングラデシュの決定はこの関係をより強固にするために重要な役割を果たすと述べた。安倍首相はこの決定を2国間関係における「重大な曲がり角」であると語った。
日本の首相は環ベンガル湾地域の経済成長に言及し、今後5年間に日本からバングラデシュに対し60億米ドルの援助を実施することを再び表明した。この支援の枠内で、日本はすでに11億2千万円を援助している。この協力の主要な目的は、ベンガル湾産業成長ベルト構想となっている。安倍首相は、この協力が2国に成果をもたらすばかりでなく、この地域全体の繁栄を可能にすると述べた。また、日本はバングラデシュと投資、貿易など経済面での協力を強化していく意志を明らかにした。
安倍首相はまた、平和維持活動に関し、来年の初めに外務事務次官級の会談を行ない、原子力の平和的利用についても今年のうちに話し合いの機会を設けることについて、ハシナ首相と話したと述べた。
安倍首相は「前回5月にシェーク・ハシナ首相が来日したとき、日本・バングラデシュ包括的パートナーシップを発表したが、今日の会談で、私たちはこのパートナーシップをより前進させることについて合意した」と語った。

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(翻訳者:加藤梢)
(記事ID:352)