セクハラ被害で過去4年間に99人が自殺
2015年05月24日付 Prothom Alo紙

(5月19日付)人権団体オディカルの調査によれば、過去4年間でセクハラ(性的嫌がらせ)被害にあって自殺した女性は99名にのぼる。また、セクハラを阻止しようとしたために、2千人以上の女性と489人の男性が嫌がらせを受けていた。今日(火曜日)私立ブラック大学(注;バングラデシュ最大のNGOブラックBangladesh Rural Advancement Committeeが設立した大学)で開かれたシンポジウムでこうした実態が明らかになった。
「公共の場所における性的嫌がらせと女性の権利」と銘打ったこのシンポジウムはブラック・ロースクールが主催したもの。シンポジウムで人権活動家のサミヤ・イスラム氏は、主要日刊紙12紙に掲載されたセクハラ関係の記事を分析した結果を発表した。それによれば、過去4年間でもっとも多くセクハラ被害にあっているのは11歳から15歳の女性で、加害者たちは女性の手やオルナ(襟元にゆるやかに巻くスカーフ)を摑んで引っ張ったりするだけでなく、暴行や連れ去りなどの言葉を使って恫喝することもある。
ブラック大学英語科のフィルドウス・アジム教授はシンポジウムで、女性たちはセクハラを怖れて家に閉じこもることなく、外の世界に出てくるべきだと訴えた。同教授は、「女性の社会進出が進むほどセクハラは減る。来年のベンガル暦新年の催しには、さらに多くの女性が参加することが望ましい」と述べた。(訳者注;毎年4月半ばにはベンガル暦新年を迎える行事が賑やかに行われるが、今年はダカ近郊の国立ジャハンギルノゴル大学で女子学生が男子学生たちに嫌がらせをされるなど、30件以上のセクハラ事件が起きている)
同じくシンポジウムに出席した最高裁付き弁護士のファヒマ・ナスリン氏も、ベンガル暦新年の事件に関連して、複数の人権団体の取り組みに失望したと発言した。「著名人や有名な団体もまるで何も聞こえず、見えないようにふるまっていた」とファヒマ・ナスリン弁護士は語りさらに「高等裁判所が命じた性的嫌がらせ防止条項が教育機関で遵守されていたら、セクハラの件数は減っていたはずだ」と述べた。
シンポジウムの最後に行われた質疑応答では、出席者たちは「男女の自然な関わり合いを妨げることなく、よい方向へ発展する機会を提供することが重要であり、その結果男女が互いを尊ぶようになる」と述べた。さらに、女性がすべての嫌がらせの原因になっていると考える文化から脱却しない限り、性的嫌がらせの問題は根治されることはないとの意見で一致した。

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(翻訳者:伊藤巧作)
(記事ID:416)