女は北に男はダカに
2016年04月20日付 Prothom Alo紙


女はラジシャヒとロングプルに、そして男はダカに暮らす。互いに会ったことは一度もない。一緒にしてやろうという動きもなかった。

 これはゴリヤル(ガビエル)という名の淡水希少種のワニのことである。かつてはポッダ川とジョムナ川で見ることもできたが、今はほとんど絶滅に瀕している。

 ダカとラジシャヒの動物園の話を聞いて、経済的な問題により、ゴリヤルワニたちを交換して繁殖する環境を作ることができないのだということが分かった。

 今ラジシャヒ動物園には3匹のゴリヤルワニがいる。すべてメスだ。ロングプルには4匹いて、こちらもすべてメスだ。ダカ動物園にいる4匹だけがオスだ。ボンゴボンドゥ・サファリパークにも1匹のオスのゴリヤルワニがいる。

 ゴリヤルワニは爬虫類クロコダイル科ガビアル亜種の古代の爬虫類の一つである。この種はメチョ(魚)ワニ、ゴト(頭)ワニという名前でも知られている。主食が魚であるためにメチョワニという名がついたとされている。頭や口がゴラ(馬)の頭や顔のようなのでゴリヤルという名前がついたという人たちもいる。また、馬が由来ではなく、ゴラと呼ばれる一種の壺から来ているという意見もある。ゴリヤルワニの顔には柔らかい骨でできた八角形の部分があり、それがゴラのように見えるというのだ。ガンジス川でよく見られるため、学名のgangeticusにはガンジスの名が含まれている。

 この水生爬虫類は臆病でおとなしい性格の持ち主だ。ゴリヤルワニの体長は4~7mで、ガンジス川以外にも亜大陸の様々な大きい川でも見ることができたものだった。バングラデシュのポッダ(パドマ)川、ジョムナ川、ブロンモプトロ(ブラフマプトラ)川やそれらの支流でかつてはよく見られた。しかし、生息地が破壊されたことで、現在のバングラデシュにはゴリヤルワニが繁殖できる自然環境がないというのが専門家たちの考えである。ゴリヤルワニは絶滅危惧種の野生生物として、2012年に制定された野生生物(保護保安)法により保護されている。

 ラジシャヒ動物園のキュレーターであり担当のフォルハド・ウッディンさんによると、ラジシャヒ動物園にいる2匹のゴリヤルワニは大きく、歳も38~40歳になった。ゴリヤルワニの平均寿命は45歳である。

 フォルハド・ウッディンさんは、ゴリヤルワニの交換をおこなう前にその繁殖に適した環境を作らなければならない、という。このワニは砂の中に卵を産むが、資金がないためそうした環境を整備できない。ロングプルのキュレーターのS・M・ナシル・ウッディンさんによると、ロングプル動物園にいる4匹のワニも成年に達しているという。

ダカ動物園のキュレーターのノズルル・イスラムさんからは携帯電話で話を聞くことができた。ダカ動物園の4匹のワニもかなり大きく、バングラデシュではおそらくこれほど大きいゴリヤルワニはどこの動物園にもいないということだ。ラジシャヒとロングプルにメスのゴリヤルワニがいることを知らなかったという。今後、ワニの交換が可能になるだろう、という話だった。ノズルル・イスラムさんによれば、4月24日に森林庁の国際自然保護連合(IUCN:International Union for Conservation of Nature)の会合があり、そこに全キュレーターが呼ばれている。この会議で、ゴリヤルワニの繁殖に関し、方策をとるための話し合いがおこなわれるかも知れないということだった。

 IUCNはバングラデシュのゴリヤルワニの生息地を指定し、管理のための提言をまとめた。これに関してIUCNのA・B・M・サロヤル・アラム主任研究員によると、ダカからオスのゴリヤルワニを1匹ずつラジシャヒとロングプルに移動する計画がある。またロングプルとラジシャヒからメスのゴリヤルワニを1匹ずつダカに移す予定だ。またカップルを作る目的で、ラジシャヒの1匹のメスのゴリヤルワニをボンゴボンドゥ・サファリパークに渡す準備も進んでいる。4月24日の会合でこうしたことについて話し合われる予定だ。

Tweet
シェア


この記事の原文はこちら
原文をPDFファイルで見る

 同じジャンルの記事を見る


(翻訳者:加藤梢)
(記事ID:498)