グルシャンのレストランを武装集団が襲撃
2016年07月02日付 Prothom Alo紙


7月2日4時14分(現地時間、日本時間同日7時14分)

首都ダカの、各国大使館が集まるグルシャン地区にあるレストランを昨日(金曜日)、テロリストたちが襲い、少なくとも警察幹部2人が死亡した。警官2人を含む21人の負傷者が出ている。
テロリストたちはレストランの中にいた、外国人を含む人たちを人質にして立てこもっている。人質になっているのは約20人とみられる。同日夜、IS・イスラミックステートが犯行声明を出した。
死亡した警察幹部はロビウル・イスラム・ダカ首都警察刑事部警視監とボナニ署のサラウッディン署長代理で、2人の遺体は同地区のユナイティド病院の応急部に安置されている。夜10時15分に病院から外に出てきた刑事部(北部)のシェーク・ナジムル・アロム警視総監補は集まった記者たちに襲撃で2人の警察幹部が死亡し、20人が治療を受けているが、負傷者の命に別状はないと語った。
深夜1時45分、ダカ医科大学病院でダカ首都警察のグルシャン地区担当のアジムル・ホク警視監補は記者団に「死亡した幹部2名はレストランで騒動が起きていると聞いて現場に赴き、中に入ったところを手りゅう弾または爆弾で襲われたと見られる」と語った。
この記事が書かれた午前3時の時点では人質はまだ解放されておらず、武装した治安部隊が人質救出の準備を進めており、コマンド部隊が招集されたとの情報が入っている。
これより前、RAB・緊急行動部隊のベノジル・アハメド長官は事件現場で開かれた記者会見で「犯人側と連絡を取ろうと試みているところだ。その要求を知りたい。犠牲者を最小限にとどめることを念頭に置いて捜査を進めている」と語った。
警察や目撃者からの情報によれば、金曜日夜8時45分ごろグルシャン2番地区の79番通りにある「ホーリー・アーティザン・ベーカリー」という、外国人に人気のスペイン料理レストランが襲撃された。この店の近くにはレークビュー・クリニックやノルディック・クラブなどの施設がある。
襲撃のとき店内部にいた同レストランの食材・飲料部のシュモン・レジャ主任はプロトム・アロ紙の取材に対し、「8時45分ごろ8名ほどの青年が突然店に侵入してきた。ひとりは抜身の刀を持っており、他の連中は小型の火器で武装していた。店に入ると同時に男たちは空砲を放った。当時レストランの中には20人ほどの外国人がいた」と語った。
現場に集まっていた人たちの話では、武装集団は午後10時35分ごろ店の中で二つの爆発物を続けて爆発させ、このとき何発かの銃声も聞こえた。それと同時にレストランの周囲に展開していた緊急行動部隊と警官隊が後退し、店の前で数人の警察官が倒れているのが見えたとのことだ。その後ボナニ署のサラウッディン署長代理を含む数人の警察関係者が病院に運ばれた。
襲撃事件の発生から間もなく、緊急行動部隊と警官隊が現場を包囲し、グルシャン地区のすべての道路が封鎖された。周囲一帯が緊張し、人質となったバングラデシュ人たちの家族が現場に駆けつけてきた。
緊急行動部隊長官は夜現場で記者団に対し、「レストラン内部で人質になっている人たちの安全が何よりも重要だ。立てこもっている犯人たちと話がしたい。このレストランは夕刻以降多くの客でにぎわっている。そこに襲撃者が侵入した。私たちが分かっているのは今のところそれだけだ。外に出て来られたレストランの従業員たちから事情を聴いている。事件の平和的な解決を目指しており、メディアにも協力してもらいたい」と語った。
ダカ医科大学病院ではプロディプ・クマルさん、アロムギルさん、ラッジャクさんの3人の警察官が負傷して治療を受けている。プロディプさんとアロムギルさんはグルシャン署の警察官で、2人とも足を負傷している。同病院の理事長を務めるモハンモド・ミジャヌル・ロホマン准将によれば、銃撃された警察官の足から銃弾はすでに取り除かれている。ロホマン准将はさらに「ラッジャクさんは自家用車の運転手で、事件の前4人の日本人既製服バイヤーをレストランでおろし、外で待機していたときに、飛んできた銃弾の破片でけがをした。首と手を負傷しており、重傷だ」と述べた。
現場で様子を見守っていた人たちにも話を聞いた。アノワルル・コリムという男性は、甥でエンジニアのハスナト・コリムさんとその妻、および子ども2人が人質になっていると言う。夜10時35分ごろ携帯電話でハスナトさんと連絡が取れたが、「何とか無事でいる」のひと言だけでむこうから電話が切れた。その6分後に電話が通じたときには「私たちは人質にされている。そちらの周囲に警官がいたら、銃撃はしないようにと伝えてください。さもなければ私たちが殺されます」とハスナトさんは語った。11時以降は連絡が取れなくなっているという。やはり現場にいたアフタブ食品CEOのシャハリアル・カーンさんはプロトム・アロ紙に「息子のタハミズ・カーンが店に食べるものを買いに行った。注文を済ませ出来上がるのを待っていたときにテロリストたちが襲撃してきた。最後に話ができたのは夜10時ごろだ。そのときは無事だということだったがその後は連絡が取れていない」と語った。タハミズさんはカナダのトロントから昨日ダカに到着したばかりだったという。

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(翻訳者:渡辺一弘)
(記事ID:560)