国境を守る女性たち
2016年06月07日付 Prothom Alo紙


ボグラ県出身の女性ジャハナラ・アクタルは子どものころから軍で働くことを夢見てきた。夢を叶えるためにカレッジに入学し、バングラデシュ国立士官候補生部隊(BNCC)のプログラムに参加して着実に歩みを進めてきた。そして今、バングラデシュ国境警備隊(BGB)の一員となった。しかし、(最初の目標だった軍とは少し違ってしまったからといって)失望はまったくしてしない。ジャハナラを始めとする97人のBGB初代女性隊員は国の統合と主権を守る仕事に関わることができるのを誇りに思っている。
 1144人のBGB第88代隊員は約6か月の訓練を終え、6月5日の朝、修了パレードに参加した。1144人のうち97人が女性だ。チョットグラム県シャトカニヤ郡にあるバイトゥル・イジャト国境警備トレーニングセンターと学校のパレード広場でパレードは行われた。パレードの中心的な催しは朝8時半から10時まで開催された。主賓のアシャドゥジャマン・カーン内務大臣による祝辞と賞与、隊員による日頃の鍛錬の成果披露が行われ、一連の公式行事が終了したのは11時だった。
 パレードの後ジャハナラ・アクタルに話を聞いた。顔中に喜びと興奮があふれていた。それは6か月間の厳しい訓練を終え、BGBに参加できる喜びであり、女性兵士の中の最優秀となれたことの興奮だ。プロトム・アロ紙はさらに二人の女性隊員、ルマ・カトゥンとスラボンティ・ショマッダルにも話を聞くことができた。初の女性隊員となったことの誇りとともに、彼女たちには任務を果たすにあたって、次の世代が軍隊に入りたいと思うような輝かしい模範となりたいと思っている。
 ボグラにある公立アジジュル・ホク・カレッジ経済学部3年生のジャハナラ・アクタルは「父は軍で働いていていました。初の女性隊員としてBGBに参加できることを誇りに思っています」と語った。
 妹と弟がひとりずついるというジャハナラ・アクタルは、女性の人身売買と麻薬の密売を防ぐ仕事をしたいと思っている。「配属されたところで働き、責任を果たすために全力で頑張ります。訓練では指導教官たちから多くのことを学びました。そのことをこれからの勤務で活かしたいし、他の人たちが私たちの仕事ぶりを見てBGBで働いてみたいと思うようになるような仕事をしたいと考えています」。
 ジョショル出身のルマ・カトゥンは、昨年HSC(中等教育修了試験)に合格した。ルマは農業を営んでいる父、モハンモド・トファッジョル・ホセンのアドバイスでBGBに応募した。「私は今、BGBの隊員であることに喜びを感じています。自分に与えられた責任をきちんと果たしたいと思っています。特に女性の人身売買を防げるようがんばります」。
 BGBのもうひとりの女性隊員スラボンティ・ショマッダルはプロトム・アロに次のように語った。「麻薬は若者の大敵です。薬物のせいで若者社会が崩壊することだってあります。そうなれば国の将来が暗黒に包まれる怖れがあります。それで麻薬の密売を取り締まる仕事をしたいと思っています」。
 パレードの終了後、アシャドゥジャマン・カーン内務大臣は、シェーク・ハシナ首相の意向でBGBに女性隊員が誕生した、と報道陣に語った。「今日はBGBにとって記念すべき日だ。我が国の女性たちが立ち遅れているわけではないことが今日のパレードで証明された」。
 スラボンティ、ルマ、ジャハナラたちの夢は実現しようとしている。そのことで彼女たちは幸せだ。目の前に横たわっている重い責任を果たす準備はできている。喜びで顔が輝いている。日曜日、パレードが行われていたとき、東の空にはいくつもの白い雲が流れていた。雲の間から太陽が顔をのぞかせ、黄金の光が差し込んだ。この光でジャハナラたちの顔が明るく照らし出された。97人の女性は、将来困難だがやりがいのある仕事をしたいと思っている多くの女性たちの先駆者になるだろう。

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(翻訳者:山田純恵)
(記事ID:578)