休みが終わると教室がなくなっていた
2017年07月09日付 Prothom Alo紙


(7月2日付)「一カ月前は授業があった。ラマダーン(断食月)の間、学校は休みだった。でも休みが終わった今日(土曜日)、来てみたら学校がなくなっていた。ポッダ河に流されちゃったんだ」。悲しげな顔でシャリアトプル県ジャジラ郡のヤコブ・マドボルカンディ公立小学校に通う5年生のシャディア・アクタルちゃんはこう話した。
 ラマダーンとその終わりに祝われるイードの祭りのために、学校は6月25日から休みに入った。その間ポッダ河による河川浸食が見られたため、6月20日、学校の2階建ての建物一棟が競売にかけられて売却された。(注:校舎が流されることが避けられない状況になると、金銭的被害を少しでも少なくするため校舎を競売にかける。落札した業者は校舎建設に使われているレンガなど建築材を転売する)建物は一部が壊れた状態で残ったままになっている。この10日間の浸食で、学校のトタン葺きの教室、運動場、敷地は川底に沈んでしまった。
 昨日土曜日(7月1日)、休み明けで学校が始まった。ところが生徒たちが来てみると公社がなくなっていた。教師たちは急いで、ヤコブ・マドボルカンディ村のはずれにあるモミヌル・ホクという人の家の裏側にある空き地に生徒たちを連れて行き、そこで指導を再開した。
 学校関係者によると、この小学校は1943年に設立された。2009年には2階建ての校舎が建てられた。学校の生徒数は現在217人。この学校の他の3つの教室では、ハシェム・アリ公立小学校の授業も行われていた。河川浸食で去年校舎が流されて以来、ハシェム・アリ小学校の授業はヤコブ・マドボルカンディ小学校に間借りして行われていたのだ。ハシェム・アリ小学校の生徒たちは、昨日から近くのカンクラボグ村のトタンで作った仮校舎に移っている。
 昨日正午、記者がヤコブ・マドボルカンディ村の現場を訪れてみると、裏庭に40人から45人ほどの生徒を集めて授業が行われていた。校舎がなくなったとの知らせを受けたジャジラ郡のハフィジュル・ロホマン初等教育担当官が、教師と生徒への慰問のために訪れていた。
 ハフィジュル・ロホマン担当官はプロトム・アロ紙に「この問題については上に報告済みです。早急にトタン葺き校舎を作る手配がされることになります」と述べた。
 この小学校の4年生、イリアスとラハトは、学校がこんなふうになくなってしまうなんて思ってもいなかったと話していた。この子たちはこれからどこで勉強するのだろう?屋根もないようなところで学習できるのだろうか?
ヤコブ・マドボルカンディ村に住むモンジュ・ベゴムさんは娘のタニアちゃんを学校に通わせている。「タニアは3年生です。朝家に戻った娘の口から学校が流されてしまったことを聞きました。生徒たちはこのことをとても悲しんでいます。私たち親も、子どもたちがこれからどこで勉強するのか、不安に思っています」
 ヤコブ・マドボルカンディ公立小学校のラベア•ベゴム校長は「こんなふうに居場所を失うことになるなんて想像もつきませんでした。当面村はずれの道沿いの空き地で授業を続けています。校舎代わりの家を探しているところです。青空教室をいつまでも続けるわけにはいきません」と語った。
 この問題について、シャリアトプル県のアブル•カラム•アザド初等教育担当はこう述べた。「初等教育庁の長官にはすでに報告があがっています。長官からは仮校舎建設のために30万タカ(約41万円)を充当するとのお話をいただいています。予算が得られれば土地を確保の上校舎建設にかかります」

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(翻訳者:田中南歩)
(記事ID:665)