自撮りの際の死亡事故、インドがトップ
2017年07月07日付 Prothom Alo紙


「セルフィー」(自撮り)が全世界の流行になっている。この流行の陰で不注意のため多くの人が命を落としている。こうした事故による死者数が世界で一番多いのはインドだ。
「Me, Myself and My killfie; Characterizing and Preventing Selfie Deaths(私と私自身と私のキルフィー:セルフィーによる死の特徴と予防)」 というタイトルの研究でこの結果が明らかになった。この研究はアメリカのカーネギーメロン大学とデリーのインドラプスタ情報大学の共同で行われた。
 インドの主要日刊紙タイムス・オブ・インディアは、2014年の3月から2016年の9月までセルフィーを撮ろうとして起きた世界中の死亡事故の60%をインドが占めていることがこの研究で明らかになったと報じた。
 記事によると、インドで自撮り関連の死亡事故が増加していることから、ムンバイ警察は15の地点を自撮り危険個所と指定した。これ以外にも市内のどの地域が「セルフィー禁止ポイント」であるかも公表した。
 ムンバイ警察のパルマジット・ダヒヤー副総監は「自撮り関連事故の防止策として、こうした対策を講じた。自撮りの危険スポットで波が高かったり潮の流れが激しかったりする場合には警察官が配備される。また天候が極めて悪い場合にも、海のすぐ近くまで行っての自撮りは慎むよう要請する」と語っている。
 タイムス・オブ・インディアの記事は、ムンバイ警察は人々に注意を促すためトゥイッターでも「自撮りのために命を損なわないで」というメッセージを出していると伝えた。    
カーネギーメロン大学などの研究では、2014年の3月から2016年の9月までにセルフィー関連事故により世界で127人がなくなったとされている。このうち76人がインド人だった。
 これについてインドの臨床心理学者、サルマー・プラブー氏は「セルフィーに夢中になる傾向は徐々に拡大している。若者ばかりでなく、年配の人々の中でも広がりつつある。危険なシーンで写真を撮ったらそれをすぐにFacebookやインスタグラム、スナップチャットに投稿するのがファッションとなっている。また、SNSで『いいね』やコメントを集めようとして人々は自らの命をこれほど大きな危険にさらしている」と語った。プラブー氏はさらに「(この危険性について)若者たちに理解させなければならない。しかも彼らが理解したいと思うような方法で理解させる必要がある。自撮り写真の『いいね』が増えれば増えるほど、死の危険も増加するということを常に覚えておかなければならないのだ」という。
 今年の6月27日、ムンバイの人気スポット、マリンドライブ沖の海で浮かびながら自撮りをしていたプリティという17歳の女性が死亡した。5月15日には海でセルフィーを撮ろうとしてミナークシ・ラージェーシュという名の理工学部の女子学生が波にさらわれた。また5月1日にはマハーラーシュトラ州の東南部の町ソーラープルで、小舟で遊覧しながらセルフィーを撮ろうとしていた4人の医師が溺れて悲惨な死を遂げた。去年の5月9日には、ムンバイの高級住宅地バーンドラー近くの海岸で、友人たちと自撮りをしていた18歳のタランヌム・アンサリさんが亡くなっている。チェンナイでは1月31日、若い男性が線路内でセルフィーを撮ろうとして走行中の列車にはねられ死亡した。その数週間前ムンバイで自撮りをしていた若い女性一人が溺れた。それを助けようとした若い男性一人もなくなるという事故が起こっている。

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(翻訳者:金城康介)
(記事ID:679)