大洪水迫る
2017年08月14日付 Prothom Alo紙


(写真:首都ダカと北部のディナジプル市を結ぶ幹線道路の一部が洪水で冠水し、車両の通行ができなくなっている)
バングラデシュを大規模な洪水が襲おうとしている。ブロンモプトロ(ブラフマプトラ)、ゴンガ(ガンジス)、ティスタなど各河川の流域では、水位が過去75年から100年のうちで一番高くなっている。この増えた水が8月19日までに国内の他の河川に流れ込むと見られている。その結果として、バングラデシュは近年最大規模の洪水に襲われる恐れがあると洪水予測を行なっている2つの国際機関は見ている。両機関の研究者たちによれば、今回の洪水は、近年で最大規模と言われる1988年の洪水をしのぐ可能性があるという。
バングラデシュ各地からプロトム・アロ紙の記者たちが寄せた報告では、今年山岳地帯で起こった鉄砲水や豪雨の影響でジョムナ、ティスタ、ドロラ、アトライなど主要河川で水嵩が増している。北部及び北東部の14の県ではすでに洪水が発生している。ロングプル管区のポンチョゴル県とタクルガオン県では水は減ってきているが、他の6県では水嵩がさらに増してきている。北部のディナジプル県では増水のために女性や子どもを含む13人が亡くなった。
国連常駐調整官事務所(UNRCO)と欧州委員会共同研究センター(JRC)が発表した世界の洪水に関する報告書によると、8月10日時点の予測で、バングラデシュ、インド、中国、ブータン及びネパールで洪水の状況が悪化しているという。
ブロンモプトロ河流域の地域では先週金曜日から水位の上昇がみられ、この増えた水が19日までに下流地域に流れ込む恐れがあるとされる。ブロンモプトロ河の上流の地域での洪水は、過去200年で最悪のものになるという予測もある。
ヨーロッパ中期天候予報センター(ECMWF)は、今後10日間のうちにヒマラヤ南部で200ミリを超す降雨を予測している。この結果、インドとバングラデシュのブロンモプトロ河流域で推移が上昇することになる。
ブラック大学のアイヌン・ニシャト名誉教授はプロトム・アロ紙に「今回は歴史上最大といわれる降雨の影響で中国やインドではすでに大規模な洪水が発生している。両国の間を流れるブロンモプトロとゴンガの水量は、思い出す限り最大レベルに達している。この状況が続けば、バングラデシュは1988年以来最大規模の洪水に見舞われることになるだろう」と述べ、政府民間双方の各機関に最大級の予防策をとるよう勧告した。
災害救援省は今日(8月14日月曜日)、洪水対策について記者会見を開くことにしている。国内ではすでに北部と東部地域で洪水が発生し、状況の悪化が見られる。水資源開発公団の洪水予報・警戒センターは、この24時間の間にブロンモプトロとジョムナ両河川のバングラデシュ部分で50センチ、およびゴンガとポッダ(パドマ)河では15センチ水位が上昇し、このためブロンモプトロ、メグナさらにティスタの各河川の流域ではすでに洪水が発生し、さらに深刻化するとの見方を示した。
川の水位が上がっているため、北部のポンチョゴル、ラルモニハート、ディナジプル、ネットロコナなどの県では100を超す教育機関が休校となっている。ニルファマリのソイヨドプル、ラルモニハート、ディナジプル、クリグラム、ラジシャヒおよびロングプルのボドルゴンジョでは堤防が決壊し広い地域が水に浸かっている。幹線道路も冠水したためにダカとディナジプル間の通行は迂回せざるを得なくなっている。またラルモニハート、ディナジプル、タクルガオン各県では鉄道の3路線が運行を停止している。洪水対策のため北部には軍から3つの小隊が派遣された。兵士らは被災地での救援活動と堤防保持にあたっている。
国内の専門家らは、政府は今後の洪水対策に全力を挙げるべきだとし、洪水対策関連の各政府機関による対策を呼び掛けている。
気象庁の予報によると、今日月曜日にはバングラデシュ全域で中程度から強い雨が降ることになっている。また丘陵地帯の多い南部のチョットグラムや北東部のシレットでは強い雨や豪雨になる可能性があり、地滑りが発生する危険もある。
ダカ大学の災害管理・脆弱性研究所のゴオハル・ナイム・ワラ研究員は、「現在雨が続いており、8月21日は新月となっている。一方インドのアッサム州では大規模な洪水が発生している。この洪水の水は3,4日のうちにバングラデシュに流れ込んでくる。またバングラデシュ国内ではブロンモプトロ河とポッダ河の流域で水位が上がってきている。ポッダ河ではまだ危険水位には達していないが、現在のペースで水位が上昇していけば19日までに危険水位を超える可能性がある。この2つの川の水嵩がいっぺんに増せば大規模な洪水となる恐れがある」と語っている。

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(翻訳者:加藤梢)
(記事ID:684)