交通渋滞のひどい世界の10都市
2017年10月06日付 Prothom Alo紙


毎日朝夕何を食べるのかと医者が患者に訊く。「他になにもないとしても、ジャムだけはある」と患者は答える。これはダカに住む者にとって笑い話ではなく、深刻な現実だ。皆がパンにつけるジャムを手にいれることができるわけではないかもしれないが、トラフィックジャムつまり交通渋滞なら、通勤者であれば誰にでも配分されるというわけだ。
ダカの渋滞が実際どれほどひどいのか、他の都市と正確に比較されているわけではない。世界経済フォーラムのウェブサイトでは交通渋滞のひどい都市のリストを見ることができる。この調査を行ったのはインリクスという企業だ。交通量得点表で知られるこの企業は2016年に世界38カ国1064の都市で調査を実施した。その中にダカは入っていない。そのため他の都市と比べてダカがどの位置にランクするかということは分からない。
しかしこの7月、世界銀行がある研究結果を発表した。それによれば、交通渋滞が理由で首都ダカでは毎日320万時間の業務時間が無駄になっているというのだ。そのため、年間約3000億タカ(約4110億円)の経済的な損失が生じている。ダカでは現在平均時速約7キロのスピードで交通機関が動いている。世界銀行によれば、この状態が続けば、近いうちに人間は車で行くより歩いたほうが徒歩の方が早く目的地に着けるようになるという。渋滞の状況は日々悪化している。交通量がこの調子で増え、何の対策もとられないとしたら、2025年にはダカでは交通機関のスピードは時速4キロとなり人が歩く速さよりも遅くなるというのだ。人が歩く速度は時速5キロと言われている。
これらのデータとインリクスの指数とを比較してみよう。インリクスの調査によれば、去年交通渋滞のひどい都市の中で最も交通機関の速度が遅かったのはダブリンだ。そこでは自動車の平均時速は7.5キロで、最も混雑する時間には5.5キロにまで落ち込む。ダブリンよりダカの状況の方が芳しいわけではもちろんない。しかしながら、最も平均的に遅い都市はメキシコのオワハカであった。平均時速5.9キロで交通機関が動いている。歩く方がよっぽどいい。
インリクスの調査では、交通渋滞が理由で去年ロンドンでは、ドライバー一人につき1911ポンド(約28万円)の損失を被っている。都市全体で見れば6000億から6500億ポンド(9000億円)の損失となる。ダカの損失の倍である。
渋滞につかまっている時間を見ると、最もその時間が長い都市はロサンゼルスであった。去年、ロサンゼルスで交通機関利用者は100時間以上も渋滞につかまった状態であった。ダカの人たちが年間平均でどれほど時間を無駄にしているかは正確には調査されていない。この統計には最も交通渋滞がひどいとして10都市がリストアップされているのだが、このリストにダカが載っていない理由はただひとつ、そこで調査が行われなかったということであろう。交通渋滞から言えば、ダカは未だ発掘されざるすごい金鉱だ。そのことはいずれインリクスの調査員にもわかってくるだろうに違いない。

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(翻訳者:成澤柚乃)
(記事ID:692)