4千万人が「現代の奴隷制度」の犠牲に
2017年10月21日付 Prothom Alo紙


アフリカ諸国から黒人を連れてきて売り飛ばし、何世代にもわたって強制的に仕事をさせる―こうした形の奴隷制度は今はもう残っていない。しかし世界から奴隷制度はなくなったと言えるのだろうか?国際労働機関(ILO)の報告書によれば、2016年でも世界で4千万人もの人が奴隷制の犠牲になっているという。これを現代の奴隷制度という。
 この4千万人のうち2千500万の人々は、労働を強いられている。1500万人は強制的な結婚の犠牲となっている。ILOはこの2つを現代版の奴隷制度と見る。労働を売ることを強制させられているのはどういった人たちか?ILOによれば危険を伴う農作業や漁業、仕事の環境など考えもしない工場での業務、性産業に従事する、などが現代の奴隷ということになる。またILOは強制的な婚姻を、性における自由喪失と結婚という名の下での性的労働提供になぞらえている。
ILOはさらに、強制労働をなくし、現代の奴隷制度を廃し、人身売買に待ったをかけることは、国連の持続可能な成長目標(SDG)の目標の一つだと指摘する。国連加盟国はこの目標を2030年までに達成することになっている。
ILOのガイ・ライダー事務局長は、報告書で明らかにされた諸問題の解決なしには、国際社会はSDGを達成できることはない、と語った。ではどのような方策が必要なのか?それにはILOの示した新しい数値が参考になるだろう。
ILOのこの報告書は9月17日に発表された。ILOとワーク・フリー・ファウンデーション、それに国際移住機関(IOM)が共同で作成したものだ。報告書は「現代の奴隷制」の国別の状況には触れていないが、世界のどの地域でこうした傾向が強いかについて述べている。それによれば、強制労働。強制結婚が一番多いのはアフリカで、アジア太平洋地域がそれに次ぐとなっている。
報告書にはバングラデシュについての言及はないものの、あるバングラデシュ国民のコメントが引用されている。それによれば、労働者だというそのバングラデシュ人は借金地獄に陥っている。借金返済のために債権者のもとでの労働を強いられている。
ILOの推定によれば、2016年に強制的な労働をさせられていた人たちの数は2千490万人にのぼった。そのうち1600万人は民間セクターで労働を行っていた。強制的に性産業に従事させられた人は480万人だった。残りの410万人については、各国政府による強制労働が行われていた。民間部門で強制労働をさせられた人たちのうちの半数が、借金でがんじがらめになっていた。すなわち借金返済のために債権者のために働くことを余儀なくされていた。
「多くの場合、強制による労働で生み出されたモノやサービスは、公式的なルートを従って市場にもたらされる。私たちが食べているものや着ているもの、住んでいる建物はひょっとしたら強制による労働の結果作り出されているかも知れないのだ」と報告書は述べている。また報告書によれば、強制的な結婚の犠牲になるのは女性ばかりとは限らないものの、やはり女性の比率が高く、88%となっている。そして結婚を無理強いされた女性たちのうち、3分の1が18歳以下で結婚していたということだ。

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(翻訳者:篠原和)
(記事ID:693)