バングラデシュ「独裁国家」のリストに
2018年03月23日付 Prothom Alo紙


バングラデシュが世界の独裁国家として新たに名を連ねた。ドイツの研究機関「ベルテルスマン財団」が昨日木曜日に発表した研究報告書では、新しい独裁国家として5か国が挙げられたが、その一つがバングラデシュだとされている。

 報告書では、バングラデシュ等5か国が民主主義の最低限の基準を満たしていないとされている。
検証期間中バングラデシュでは政治的な暴力、法的手続きを伴わない殺戮、原理主義者による攻撃の発生が見られた。報告書は、全国各地で起こった暴力行為の責任は野党であるBNPにもあるとしている。さらに「与野党の党首である女性リーダーの間の対立も、民主的プロセスに欠陥を生む原因のひとつと見られている」とも指摘している。
 ベルテルスマン財団はウェブサイトで「ベルテルスマン変化指標」と名付けた指標と、それに関する報告書を公表した。同財団は2006年から定期的に、世界の国々の政治と経済の動向について分析を行っている。今年は129の途上国と中所得国について調査を実施した。報告書では、40ヵ国の政府がここ2年の間に法的支配を抑圧し、50ヵ国では政治的自由に制限がかけられているとして、世界中で民主主義の圧迫が見られると指摘している。
 今年の指数によると、調査対象となった129ヵ国中58ヵ国が独裁国と定義されている。2016年は55ヵ国であった。一方、昨年74ヵ国だった民主主義国家は今年71ヵ国に減少している。
 同報告書によれば、今年13ヵ国の政治状況が著しく悪化した。この中にはバングラデシュ以外にモザンビーク、トルコ、イエメンなどが含まれる。さらにこれら13ヵ国のうち、5ヵ国は民主主義の最低限の基準を満たしていないとされた。
 報告書はさらに、この5ヵ国はバングラデシュ、レバノン、モザンビーク、ニカラグア、ウガンダであるとし、これらの国々では年を追うごとに民主主義の基盤が弱体化し続けていて、「独裁統治」の状態にあると述べている。これらの国々ではほとんどの場合選挙の質が悪く、公平性が失われていると報告書は指摘している。
 この指標では、ブルキナファソ、スリランカでは著しい改善が見られ、この2か国を新しい民主主義国家とする一方で、バングラデシュ等5ヵ国を新たな独裁国家としている。バングラデシュの場合、質の悪い選挙が理由でこのリストに入ったとされている。
 ベルテルスマン財団は、バングラデシュは経済的には良好に発展していると述べている。貿易赤字は以前に比べ減少している。しかし報告書では、イギリスの経済誌エコノミストの調査部門「エコノミスト・インテリジェンス・ユニット」を引用して、バングラデシュでは大学を卒業した若者の47%が職を得られないことが指摘されており、学歴にふさわしいと言えない職に若者が就業していることが、バングラデシュの問題の1つとして挙げられている。
 ベルテルスマン財団の報告書に示された指標では、調査対象となった129ヵ国中民主主義的発展の点で最も良い状況にあるのはウルグアイで、エストニア、台湾がこれに続く。この指標でバングラデシュは80位である。ロシアは81番目で、インドは24番目、ブータンが40番目、スリランカが41番目、中国は109番目であった。そして最下位3ヵ国はイエメン、シリア、ソマリアとなっている。

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(翻訳者:末政花鈴)
(記事ID:740)