日本の富豪、画家たちとともに月旅行を目指す
2018年09月18日付 Prothom Alo紙


日本のオンラインショップ業界の富豪、前澤友作氏は、2023年までに月面旅行へ行くという野望を持っている。アメリカの民間ロケット製造会社「スペース・エックス社」のロケットで月旅行に行こうというのだ。前澤氏はスペース・エックス社のロケットで月に向かう最初の人となる。そのための料金はすでに支払い済みだが、金額は明らかにされていない。
AFP通信は、前澤友作氏(42歳)は1972年アメリカ合衆国のアポロ遠征計画の後、初めて月への冒険旅行を行う人となる、と伝えた。

大きな支出をしてでも月面旅行に行く特別な目的が前澤氏にはある。彼は、好きな画家6、7名を同行させることを望んでいる。画家たちは地球へ帰還後、特別な作品を創作することになる。こうした絵は人々に夢を見るインスピレーションを与えるだろうと前澤氏は考えている。
現代絵画の愛好家である前澤氏は、日本最大のオンラインショッピングモールの社長だ。フォーブス誌によると、その資産総額はおよそ30億USドル、日本で18番目の長者だ。
昨月曜日、前澤氏はアメリカ・カリフォルニア州のスペース・エックス社でこう述べた。「幼い頃から私は月に惹かれていました。私の全生涯の夢は月に行くことです」
1960年代から70年代にアポロ計画でこれまで月の軌道に至った人々はすべてアメリカ人である。これまでに24人のNASAの宇宙飛行士が月に行った。うち12人は月面を歩いている。
デニス・ティトーは、観光客として自費で宇宙旅行に行った人物だ。2001年、アメリカのこのビジネスマンは2000万ドルを払って、ロシアの宇宙船に乗って国際宇宙ステーションを訪れた。
スペース・エックス社の宇宙船に乗って月に行く意欲を見せた前澤氏に関して、同社のCEOであるイーロン・マスク氏はこう述べた。「前澤氏は勇気のある最高の冒険家だ。彼は自ら手を挙げ、そして私たちを選ぶことで、私たちに名誉を与えてくれた」
月に行くためにどれほどのお金を支払ったか公言することを前澤氏は拒否している。しかし「月に行く画家たちが旅費を負担することはない」と語っている。だがこの旅行が危険をはらむものであることははっきりしている。公園を散歩するような話ではないのだ。自身も月に行くかどうかという質問にマスク氏は「可能性はあるが確定はしていない」と述べた。
前澤氏一行はスペース・エックス社製のビッグ・ファルコン・ロケット(BFR)で宇宙に赴くことになっている。しかしながら、今後5年以内にこの有人ロケットは開発されることはないだろう。2016年にBFRの製作計画の発表を行った際には、ロケット史上、これが最強のものとなる、と言われた。また昨年マスク氏は、「2022年にはBFRの火星への試験飛行を目指す」とも述べた。続いて2024年には火星へ人類を送りこむ計画だ。
マスク氏が月に人類を送る計画について話をしたことは以前にもあった。昨年には「2018年に月の軌道に観光客を送る」と発表した。しかし彼の計画は実現しなかった。
マスク氏は118メートルの長さを持つこのロケットの設計図を示した。これを造るのに50億ドルかかる。その宇宙船はバスのように100人の客を乗せることができるという。
スペース・エックス社以外でも、イギリスのビジネスマンであるリチャード・ブランソン氏の「ヴァージン・ギャラクシー社」やアマゾンCEOのジェフ・ベゾス氏の「ブルー・オリジン社」が宇宙旅行に関する取り組みを行っている。その二社は一定額のお金と引き換えに、宇宙空間で10分ほどの無重力体験を提供するという。ヴァージン社の旅行費用は25万ドルとなっているが、ブルー・オリジン社の料金は公表されていない。また、ロシアと中国の複数の会社も宇宙旅行に関する取り組みを始めている。

Tweet
シェア


この記事の原文はこちら

 同じジャンルの記事を見る


(翻訳者:大塚圭華)
(記事ID:771)