プログラミング好きな青年、BUET入試にトップ合格
2018年10月28日付 Prothom Alo紙


モハンマド・メへラブ・ホクの話にはコンピューターソフトだのプログラミングだのロボットだのコーディーングだのといったことが繰り返し何度も出てくる。「暇なときは何をしているの?」と聞けば「プログラミングをしています」。さらに「勉強以外に興味のあることは?スポーツとか映画鑑賞とか、音楽を聴いたりとか歌を歌ったり…」「音楽はそれほど聞きません。でも一度チューニング用のソフトを作ったことはあります」「将来、何関係の仕事がしたいのかな?」「バングラデシュで世界レベルのソフトウェアを作りたいです」こんな具合だ。それで私たちは話題を変えようとした。「高校のころの何か面白い思い出を話してくれるかな?」「友達のコンピューターをハッキングするためのソフトを作ったことがあります」…
いやはや、友達たちがこの青年を“ロボット”といってからかうのは全くもって道理だ。去る水曜日プロトムアロ紙のオフィスで話をしたのだが、その冒頭でメへラブは自作のロボットを取り出して見せた。どこにどのチップを使い、何のソフトウェアを使っているか…話し続けるメヘラブを押しとどめて私たちは、バングラデシュ技術工科大学(BUET)の入学試験で1番になった話をまず聞きたいなと伝えた。
そう、ノートルダム高校を卒業したこの青年は、今年のBUETの入試でトップ合格したのだ。メへラブはバッグにロボットを仕舞って話し始めた、「大した話じゃないんです。ただひたすら勉強したことで最終的にBUETの試験で1番をとれただけです。ノートルダム高校に入学した最初の年からBUET合格に向けて準備を始めました。例えば物理のテキストの計算式を3分間で解く練習をしたりとか…」。もう少し具体的に知りたくてこう聞いてみた「自分がほかの人よりも優れていると思う点を3つ挙げてもらえるかな?」たぶん想定内の質問だったのだろう。答えはすぐさま返ってきた、「スピードと正確さと論理です。」つまり素早く、正確に行う努力をし、論理的に思考する能力がメへラブのトップ合格をもたらしたのだ。
メヘラブは高校時代からBUETの入学試験の過去問を解き始めた。BUETの入試では各問の回答時間として3分間が割り当てられている。メへラブは高校時代からこの練習を始めていたのだ。
しかし、日夜ただひたすら勉強に没頭していたわけではない。メへラブによれば、勉強は喜びだったという。「1つのことが面白く感じられなかったら他の勉強をしました。物理が楽しくなかったら数学を、数学に気が乗らなかったらベンガル語を…という具合です」
母親のシシャムロジ・アラさんから、ベンガル語に対するメヘラブの別の興味について聞くことができた。「6年生の時に長編小説を1つ書いたんです。タイトルは『それでも君はいる』で、主人公の名は…」言いかける母親をメへラブは「やめて、やめて、その話題はいいよ」と止めた。シャロジ・アラは医師で、父のモハンマド・エムダドゥル・ホクさんは農業の専門家だ。
今年9月16日、プロトムアロ紙の「夢を描いて」のページに、過去4年間のBUET入学試験でトップとなった4人からの、後輩たちに向けたアドバイスが掲載された。メへラブはこの記事がかなり役に立ったと言う。「1人の先輩が、受験生がやりがちな、何度も同じことを繰り返し勉強するのは意味がないのでやらないように、といっていました。それは今でも覚えています」この記事を読んだときには、メへラブは間もなく自分がこの「先輩」たちの仲間に入るであろうことを知らなかったのだ。
BUETでは何を専攻したいと思っている?答えは想像通りだった。「コンピューター技術工学です」何か問題が起こりでもしない限り、間もなく夢のキャンパスでメヘラブの旅が始まる。「先輩たち」からのアドバイスに刺激を受けたメヘラブが、今度は後輩たちにアドバイスをする番だ。「今高校で勉強中で、君のように大学の入試で成功したいと思っている子たちに3つアドバイスするとすれば、どんなことかな?」メへラブは答えて言った。「まず、勉強を好きになることです。勉強をプレッシャーと思わないように。2つ目のアドバイスは、目の前に厳しい競争が待ち受けていてもそれを恐れないようにということです。むしろ競争に取り組もうという気持ちが大事です。3番目のアドバイスは、先生に対していつも良い態度で接して尊敬しなさいということです。なぜなら先生たちはきっと君たちを勇気づけてくれるから」
メヘラブは自分の将来を見据えている。(フェイスブックのCEOの)マーク・ザッカーバーグのように、世界を変えるものを作り出したいと思っている。メへラブは言う。「かつて私たちの国では食料の自給自足体制が整っていませんでした。食べ物を輸入しなければなりませんでした。でも農家の人たちや遺伝子工学の専門家たちのおかげで、今バングラデシュは食料を自給しているばかりでなく輸出だってしています。でもコンピューターソフトについていうと、それほど自給体制ができているわけではありません。私たちがもしソフトを作って自分たちで使うことができ、海外へ輸出もできれば、外貨を獲得することができるし、世界の中でバングラデシュの、確固とした地位を作り上げることだってできます」

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(翻訳者:森田皆)
(記事ID:788)