G20サミットで迷惑した大阪市民
2019年07月01日付 Prothom Alo紙


(モンジュルル・ホク:大阪より戻って)
大規模な国際会議があると、多くの場合、開催国の人々の生活に支障がでる。こうした会議の際には市民の行動が制限されるからだ。交通渋滞も発生する。今回日本で行われたG20の首脳会議でもこうした影響が見られた。
今日ではそうした思いをしなくて済むよう、大都市の中心部から遠く離れたリゾート地で会議を開く傾向がある。過去20年間に日本で行われた3つのG7とG8の会議はすべて、首都東京や他の大都市から遠く離れた他が会場となった。これにより会議に参加する代表や取材のために訪れるジャーナリストにとって若干の不便はあるものの、市民生活が著しく阻害される危惧は少なくてすむ。
270万以上の人口を持つ大阪は、西日本最大の商業の中心地である。大阪と関西地方は国政にも大きな影響を持っている。そのためこの町の市民生活は、G-20サミットで混乱することになった。
今回のG-20サミットには、27か国の元首および政府の首脳以外にも10の国際機関の長が参集した。その中には世界で大きな影響力を持つ国々も含まれていたため、その賓客たちの安全確保が大阪にとって最も重要な課題となった。さらにゲストたちの利便性確保にも気を配らねばならなかった。
G-20サミットに際し、大阪とその周辺地域では厳重な警備体制が敷かれた。会場となったのは市のはずれに大阪湾の埋め立てて造られた咲洲という人口島である。しかし市内の他の場所でも他のいくつかのプログラムが実施された。さまざまな国のトップリーダーと随行員がそうしたプログラムに参加した。ゲストたちのスムーズな移動を確保するために、多くの道路で交通が規制されたり、あるいは通行止めになったりした。大阪の市民たちは、道路の代わりに地下鉄や通勤用の鉄道を使うよう求められた。これ以外にも、町の各所に警官が配備された。市民たちは行く先々で身分証明書の提示を求められていた。
会議開催中は咲洲のほぼ全域で、一般市民の通行が禁止された。近隣の会社や商店は閉めるよう指示さえされた。これに加えて、大阪市内の小中学校は休みとするよう、政府から指示が出された。こういったことすべてを合わせて見ると、大阪市民、ことに会場の近くに住む人たちにとって、G20ははた迷惑なイベントとなった。
今回の大阪での催しは、日本の首相が与党自民党の利益を守るための政治的イニシアチブとして企画したものと多くの人が意見を述べている。安倍晋三首相とその周辺の人々はおそらく、大規模な国際会議を大阪に誘致して人々の度肝を抜くことで、大阪の有権者を取り込むことができると考えたのだろう。それは与党が大阪で失われた支持を取り戻すための一助となるということである。
しかし、G20サミットのために、大阪の市民たちはひどい目に会うことになった。海外からの観光客も交通渋滞に巻き込まれ、時には歩くことを強いられたりした。取材のために訪れたジャーナリストも少々大変な思いをすることになった。

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(翻訳者:仲村優人)
(記事ID:838)