独自のワクチン開発を進める日本
2020年07月20日付 Prothom Alo紙


イギリス、アメリカや中国以外に日本も新型コロナウイルスのワクチン開発を進めている。日本のバイオベンチャー、アンジェス(AnGes)を中心とする研究グループは、来年3月までに1億回分のコロナワクチン製造能力を整える予定だ。アンジェス社は日本で迅速にワクチン接種が受けられるよう、当初の予定より5倍の生産能力を目指すとしている。
日本のニッケイ・アジアン・レビューのレポートによれば、米国のトップレベルの製薬会社他世界のいくつかの企業が、数十億回分のワクチン製造の準備を進めている。しかしワクチンが開発されても、日本が輸入できるという保証はない。そのため日本政府は、コロナ感染の第2波に対応するため、ワクチン製造能力の向上に重点を置いている。
日本でのワクチン開発はまだ途上にあるが、国内外の14の企業からなるコンソーシアムがその事業を手掛けている。コンソーシアムは今年終わりまでにワクチンの承認を得ることを目標としている。当初はわずか20万回分のワクチン製造を掲げていたが、同企業集団のパートナーたちの間で原材料の調達量増加の決定があったことで、製造量を増やすことを決めた。
アンジェス社は大阪大学と協定を結んで、コロナウイルスから取り出した遺伝子材料を使って抗体を作ることができるDNAワクチンの開発に取り組んでいる。このワクチンの臨床試験は間もなく始まるはずだ。
ニッケイ・アジアン・レビューの記事は、世界中の製薬会社の間で、コロナウイルスのワクチン開発の競争が始まっていると伝えている。米国のバイオテクノロジー会社モデルナはすでに開発したRNAワクチンの臨床試験を行っており、年間10億回分のワクチン製造を計画している。一方英国では医薬品メーカーアストラゼネカとオックスフォード大学の研究者たちが協力し、20億回分のワクチン製造を目指している。この2つの試みはともに、アメリカ政府から資金協力を得て行われている。すなわち何らかのワクチンができれば、それを得る優先権は米国が持つことになる。
ワクチン開発には優れた専門家と高価な機器が必要となる。ある企業がいきなり手掛けられるようなものではない。日本では4つの企業がワクチン開発の能力を備えている。2009年にインフルエンザが流行したとき日本はワクチン輸入を余儀なくされたが、その大部分を1年間の有効期間のうちに使いきれなかったため廃棄せざるを得なかった。そのため日本政府はワクチンの持続的な開発努力を支援している。日本医療研究開発機構は9種のワクチン開発計画に対し100億円の支援を発表した。先週にはワクチン開発協力のため200億円の補正予算が可決された。
日本では現在、アンジェス以外にも塩野義製薬がワクチン開発を進めている。また第一三共は東京大学との協力で別のワクチン計画を手掛けている。また三菱田辺製薬は8月からワクチンの治験を行うとしている。

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(翻訳者:吉田真悠)
(記事ID:904)