マイクロプラスチックによる脳卒中のリスク
2025年07月17日付 Prothom Alo紙


テクノロジー・デスク
公開:2025年5月21日
 地球はひどいプラスチック汚染に直面している。人の脳、血液、母乳だけでなく、腸や血管にも、プラスチックの小さなかけら、つまりマイクロプラスチックが入り込んでいる。マイクロプラスチックは、人体に様々な問題を引き起こす可能性がある。新しい研究では、脳卒中や軽い脳卒中になった人の首の血管に、プラスチックのかけらがより多く見つかった。そのため、科学者たちはマイクロプラスチックと脳卒中の間には関係があるかもしれないと警告している。
 アメリカのボルティモアで開かれたアメリカ心臓協会の会議で、科学者たちは、首の主要な血管に脂肪の塊がたまるのが見られると述べた。健康な人に比べて、首の血管に脂肪の塊が多い人の方が、体内のマイクロプラスチックの濃度が多いと考えられている。このプラスチックのかけらは、脳卒中の危険性を上げる一つの原因になるかもしれない。脳卒中や軽い脳卒中になった人たちの間で、この違いはよりはっきりしていた。
 アメリカのニューメキシコ大学の科学者ロス・クラークさんによると、長い年月をかけてプラスチックは分解され、土や水と混ざり合い、食べ物の流れに乗って体にたまっていく可能性があるそうだ。多くの人は、マイクロプラスチックやナノプラスチックは、プラスチックの入れ物やまな板、包装、水のボトルなどを使うときにだけできると思っている。しかし、マイクロプラスチックの主な原因は、私たちの食べ物や飲み物なのである。
 研究では、脳卒中、軽い脳卒中、または目の奥の血管の流れが妨げられて一時的に目が見えなくなった人の体には、プラスチックの濃度が50倍以上も多かったことが分かっている。しかし、マイクロプラスチックやナノプラスチックの量と、突然の炎症の兆候との間には、つながりが見つかっていない。これについて、科学者のクラークさんは、新しい情報から、マイクロプラスチックやナノプラスチックが体に与える影響は、ただ突然の炎症を起こすだけでなく、もっと複雑で分かりにくいものだと分かると述べている。ブラウン大学で血管の病気を専門とする神経科医、カレン・L・フーリさんは「今回の新しい研究結果は、とても驚きである。これまで、私たちはマイクロプラスチックやナノプラスチックに触れることで脳卒中が起こる可能性があることを、危険なこととして考えていなかった」と話している。

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(翻訳者:森勇人)
(記事ID:1217)