カービー・ジャン・シャーミー「1943年11月22日から2005年11月22日へ」(アル・ナハール紙)
2005年11月25日付 Al-Nahar 紙

■ カービー・ジャン・シャーミー「1943年11月22日から2005年11月22日へ」

2005年11月25日付アル=ナハール紙(レバノン)HP市民面

 2005年11月22日、レバノンは62回目の独立記念日を迎えた。今年は今までの記念日とは違う。2月14日、ラフィーク・アル=ハリーリー元首相とバースィル・フライハーン元経済・貿易相および彼らの同行者たちが、すさまじい爆発によって犠牲になったのである。

 この忌わしい犯罪を計画・実行したレバノンの敵は、全てのレバノン人が今までとちがって一つにまとまり、レバノンという祖国への忠誠を高らかに誓うとは思っていなかった。3月14日、政党・階層・宗派を超えて集まった国民150万人が首都の中心街を埋め尽くし、レバノンの完全な独立と、あらゆる面での決定の自由を要求したのであった。

 このすばらしい国民の一致団結に直面して4月26日、シリア軍はレバノン駐留部隊の撤退へと追い込まれた。約30年間にわたってレバノンを支配してきたシリアを支持する政権は崩壊し始めた。

 一部のにわか野党勢力が政治の場に姿を現したことはいくつもの疑問をかきたてるものであった。彼らは3・14運動の大いなる飛躍を流産させ、まさにシリア支持の精神そのものへ回帰しようと試みたのである。

 一方、国連は2月14日の犯罪に関する包括的で詳細な調査を開始した。調査は(それが最終的なものではないにせよ)着実な成果へと到達し、3・14集会参加者が立ち上がったことの正しさを確証した。例のにわか野党勢力は未だに旧体制を庇おうとして絶望的な努力を行ってはいるが、旧体制はやがては必ず滅びてゆくであろう。

 そうしたなかで、大統領の地位をめぐる新たな重大問題が幕を開けることになった。国民が数々の危機を経験してきた今、レバノンはこれまでにもまして指導力があって強力な、実務能力のある、日毎あらたな諸々の責務に取り組むに相応しい大統領を必要としている。

 国家のさまざまの行政組織は教育を受けた清廉な、現代化と革新を実行できる若い要素を切実に必要としている。そしてまたレバノン国民は、他の諸々のレベルで自分自身もまた責任を負っているのだということを信ずることが必要である。最後に一点触れておくべきは、由緒ある伝統を誇りにする旧世代が新世代の希望を打ち砕いてはならないということである。あの遺憾きわまりない古き戦争の時代の思考様式にこだわってはならない。一部の政治家はそれを個人的な利益のために悪用している。旧世代は祖国の独立以来61年間にわたる数々の教訓を活かして、我々の時代における進歩と世界の物質的および人文的な変化に照らして、祖国の必要とするものを築いてゆくことに寄与せねばならない。

 我々は、国民たる心構えについて教えを垂れようとしているわけではない。我々の唯一の目的は、過去そして不安の要因に満ちた現在の経験を活かすことに寄与したいというだけである。



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( 翻訳者:「南・西アジア地域言語論(アラブ・メディア翻訳)」12月2日 )
( 記事ID:1423 )