ザリーフ氏:アメリカはNPT会議の失敗を望んでいた
2005年05月29日付 Sharq 紙

2005年5月29日付 シャルグ紙5面
ザリーフ氏:アメリカはNPT会議の失敗を望んでいた

 【メフル通信】イランの国連常駐代表は、アメリカの核政策を批判した上で、核拡散防止条約(NPT)再検討会議の失敗の責任はワシントンにあるとの見方を示し、アメリカの核兵器は世界にとって危険であると警告した。

 国連イラン大使を務めるモハンマド・ジャヴァード・ザリーフ博士はNPT再検討会議非公開セッションでの発言で、「アメリカは、自らの一国主義的な行動を特定のグループを通じて率先し、自らの優越性を追求するために、この会議が失敗に終わることを望んでいた」と述べた。

 ザリーフ大使は、NPT再検討会議が失敗に終わったのは、アメリカの責任であるとの見解を示した上で、「アメリカがこの会議をミスリードし、世間の注目を自身の恐るべき前歴から逸らそうとしたことは、何ら驚きに値しない」と説明した。

 ザリーフ大使は現在のアメリカの核兵器の規模について厳しい口調で警告し、さらにアメリカによる最新の小型核兵器の製造に注意を喚起して、「このようなことから分かるのは、アメリカは広島と長崎の悪夢から教訓を得ていないということである」と述べた。また、「1970年の核拡散防止条約への署名にもかかわらず、アメリカは自身の核兵器庫を縮小する気が全くない」と指摘した。同大使は発言のなかで、自国の核兵器庫を縮小する旨の1995年及び2000年のアメリカ政府の決意表明について触れ、このようなアメリカの見解は空虚なものであったとした上で、アメリカは核拡散防止条約第6条での合意に従って行動する意思が全くないと述べた。

 同大使はさらに、イランの平和利用目的の原子力活動に対するアメリカの敵意的な非難について触れ、このような非難は、特に同国が核兵器を非核国に使用しようしていることの違法性に対する世論の注目を逸らし、隠蔽しようとするものであるとの見方を示した。

 ザリーフ大使はまた、「イスラエルは地域にとって脅威である」と強調した。イスラエル政府はイラン核問題に対して扇動的プロパガンダを行い、否定的役割を担っていると指摘した上で、同大使は「現代にあって実に皮肉なのは、この体制〔イスラエル〕が核不拡散の領域においては国際法の枠組みに外れた形で活動しているにもかかわらず、核不拡散に積極的な国の一つとして、イランに対して敵対的な活動を行っていることである」と言及した。

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( 翻訳者:小宮山崇 )
( 記事ID:3 )