レバノン国会議長と首相の対立、協議により打開へ(アル・ナハール紙)
2006年09月26日付 Al-Nahar 紙

■ ブッシュ大統領「我々の目的はレバノンの復興と繁栄を助けること」
■ ビッリー国会議長と政府の対立、打開策成立で食い止めへ
■ 司法当局人事計画、今日完了へ

2006年09月26日付アル=ナハール紙(レバノン)HP1面

 首相府とアイン・アル=ティーナ[※ビッリー国会議長邸の所在地]の間で行われていた協議が昨夜顕著な進展を見せた。このため、アフマド・ファトファト内相代行がワフィーク・ジッズィーニー公安総局長官(参謀少将)に対して課した処分をめぐって、政府内にもう一つの危機を発生させることが懸念されていた問題は解決に向けて大きく前進することとなった。

 この協議に関わった関係者は本紙に対し、解決策はあと数時間の間に光を見るかも知れず、おそらく夜には成立するだろうと語り、昨日伝えられたように罷免や辞職といったかたちでの「スケープゴート」が出ることはなく、問題は治安機関内部で処理されることになると強調した。また、解決策は文言の上でも精神の面でも法の遵守を保証する根本的な性質を有するものになるだろう、それだけが内相の権限と公安総局長官の権限を考慮したうえで選択された唯一の出口である、と述べた。

 ファトファト内相はこの協議の性質と提案された解決策について沈黙を守り、本紙に対し「私はメディアを通してはその問題について触れない」と言うにとどまった。

 情報によれば解決枠組みの成立直前には事態はきわめて複雑化しており、仲介にあたった人々はナビーフ・ビッリー国会議長とフアード・アル=セニョーラ首相の間で公然と対立が生ずるのではないかとの懸念を抱いていた。ビッリー議長は、ジッズィーニー長官送検の決定取り下げと、ファトファト内相代行が決定した制裁措置の取り消しと引き換えに、この問題全般に対応するためファトファト内相代行を議長として会合を開きジッズィーニー長官がこれに出席する、との提案を受けた。

 しかしビッリー議長はこの提案に対して、セニョーラ首相を議長とする会合を開き、ジッズィーニー公安総局長官に加えて国家安全保障局長官および軍情報局長官が出席のうえで、治安状況に関する調整の一般的なありようについて、またすべての治安関係機関と政治勢力が納得できるような治安計画を策定するための委員会の設置について協議することを提案した。ビッリー議長はファトファト内相代行を議長とするいかなる会合の開催にも反対した。

 セニョーラ首相はビッリー議長の提案を受け入れたが、治安関係機関の連携を定めた決定第2403号の実施を条件として挙げた。ビッリー議長はこの決定は法律違反であるとして、いかなる形であれこれを通過させることには反対の意思を表明した。これについてビッリー議長は辛辣な発言を行なったと伝えられており、問題全般の解決に36時間の猶予を設けるか、さもなければ記者会見を開いて全てのことについて洗いざらい話すとの意向をちらつかせたという。また情報によればビッリー議長はセニョーラ首相を非難し、ビッリー派の閣僚2人に対して「今後は」閣僚会議の議事日程をよく検討するとともに、何か不測の事態を察知した場合には自分に連絡するよう要請した。しかしこうした雰囲気は昨日午後、連絡協議が解決策の成立に向けて進展した後は解消した。

(後略)


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( 翻訳者:玉井葉子 )
( 記事ID:3684 )