シリア大統領、レバノン国内の分裂に懸念を表明(アル・ナハール紙)
2006年10月07日付 Al-Nahar 紙

■ アサド大統領:レバノンが「底なしの亀裂」へ至ることを「懸念」
■ レバノンとの関係如何はハリーリー元首相暗殺に関する国際調査とは無関係と主張

2006年10月07日付アル=ナハール紙(レバノン)HP1面

 シリアのバッシャール・アル=アサド大統領は、現在レバノンで起きている分裂が底無しの亀裂へと至ることに懸念を表明し、もしレバノンで衝突が発生すれば、それが直接的にシリアにとっての損失となることを強調した。その理由として、「1990年に停戦となったレバノン内戦では、我々は人命や資金のほかあらゆるものを代償として支払った。内戦はそれがもたらした政治的不安定も含めて、シリアにとって非常な代償を強いるものであった」と述べた。また、「レバノンでは個人的あるいは政治的で偏狭な利益が国家の利益よりも優先される。しかしどんな形にせよ国家の存在はこれら個人的、政治的利益に打撃を与えることになる。我々はこうした事態がさらに悪い方向へと陥ることを防ぐべく全力で取り組む」との見解を述べた。

 またアサド大統領は、レバノンのフアード・アル=セニョーラ首相はシリア訪問の招待を三度受けながらまだ一度も来ていないと述べ、今セニョーラ首相と話し合う機会があれば、セニョーラ首相が一部勢力のみの政府の長ではなく、何よりも先ずレバノン全体を代表する政府の長たるべきだと伝えるつもりであると明言した。またアサド大統領は、シリアはレバノンとの関係如何を[※ハリーリー元首相暗殺に関する]国際調査その他と結びつけたりはしないと強調した。

 今回のアサド大統領の談話は、クウェートの「アル=アンバーウ」紙のビービー・アル=マルズーク経営委員会委員長兼編集長およびアドナーン・アル=ラーシド副編集長とのインタビューの中で行われ、本日公表される。

 アサド大統領はアラブの連帯について質問され、「私は自分自身をアラブの一員として位置づけている。同盟関係のありようから判断してシリアはアラブ陣営の外部にいるというイメージを作ろうとしている者もいるが、我々はアラブとしての利益が何であるのかを明確にせねばならない。我々の利益とは第一に、何千年も共に暮らしてきた周辺諸国を考慮することであり、これらの周辺諸国と良好な関係を築くことである、と私は考えている。これが第一である。第二には、我々が対話を強化することであり、20世紀初頭に起きたごとく、我々が火種となることではない」と答えた。

(後略)



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( 翻訳者:森本詩子 )
( 記事ID:3734 )