レバノン首相がヒズブッラー書記長の演説に応答(アル・ナハール紙)
2006年09月24日付 Al-Nahar 紙

■ ナスルッラー書記長とビッリー国会議長の公式会談 「最後の部分の解放」まで武装を維持すると強調
■ セニョーラ首相「戦争が占領を引き起こした。我々が解放する」
■ アメリカ代表団が到着、復興の最優先課題のフォローアップへ

2006年09月24日付アル=ナハール紙(レバノン)HP1面

 フアード・アル=セニョーラ首相は、ヒズブッラーのナスルッラー書記長が一昨日に行なった演説の中の発言に対する返答を躊躇しなかった。セニョーラ首相は、自分はナスルッラー書記長が対話の問題に言及したことを歓迎したが、それはナスルッラー書記長が国家や政府や国軍その他に関わる問題を取り上げたことを無視するという意味ではないと指摘した。

 またマルワーン・ハマーダ通信相からも詳細な返答があり、ナスルッラー書記長が行なった政権交代の呼びかけはナスルッラー書記長の要求である以前にシリアのバッシャール・アル=アサド大統領の要求である、と反論した。

■ ビッリー国会議長とナスルッラー書記長

 一方、ヒズブッラーは声明を発表し、木曜の夜にナビーフ・ビッリー国会議長とナスルッラー書記長の間で開かれた会談について伝えた。声明によれば両者は「イスラエルの侵略に対するレバノン国民の素晴らしい不屈の姿勢」と「暴虐な侵略の間に示された国民の団結の雰囲気」を賞賛した。また、「我々の占領された土地の最後の部分を解放し、敵の牢獄から我々の捕虜を解放するまでは、とくに我々の民衆と土地と水に対してイスラエルがたびたび攻撃と侵犯を繰り返して脅威を及ぼしつづけている状況の下では、国民の選択肢として、正当な権利として、抵抗運動を継続し武装を維持する」と強調した。なお、これは7月12日以降に両者の間で行なわれた最初の公式会談である。

(中略)

■ セニョーラ首相

 セニョーラ首相は昨夜、衛星テレビ局「オービット」の番組に出演し、ナスルッラー書記長の演説の中の発言について論評した。一昨日にはナスルッラー書記長が「対話の開始」を呼びかけたことを歓迎していたが、セニョーラ首相は勝利に関する自らの見解を説明し、「それはレバノンが国軍を南部に送ることを可能にした(1973年以降)二度目の成果であり、これによってアラブ・イスラエル紛争の問題を、解決策を模索する方向で提起する可能性に道が開かれるであろう」と述べた。

 しかしセニョーラ首相は、戦争の結果として「国は新たに占領され、我々は今、解放に向けて努力している。それにレバノンの多くの部分が破壊された。イスラエルはこの侵攻によってレバノンを経済的、社会的に10年間後戻りさせた。さらに我々は国連決議を課されることになり、どのようにして遵守できるか考えなければならなくなった」と指摘した。

 また、国家が不在であるとのナスルッラー書記長の主張に対しては、セニョーラ首相は「我々は皆、それぞれの場所から率先して行動を起こし、この国家を確立させるべく諸々の方策や支援を付与すべきなのであって、国家が生起するのをただ待っているべきではない」と述べた。

(後略)



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( 翻訳者:工藤章 )
( 記事ID:3662 )