レバノン国内各派の協議会6日開催へ アウン派入閣か(アル・ナハール紙)
2006年11月04日付 Al-Nahar 紙

■ アサド大統領、ゴラン高原撤退と引き換えにヒズブッラーおよびハマースの問題について「協力する」と英国に提案
■ ビッリー議長とセニョーラ首相が鎮静化の試み アウン議員はスファイル総大司教に「デモは最後の荒療治」
■ ジュンブラート、ハリーリー両議員「3・14勢力はレバノンへの陰謀を阻止する」と宣言

2006年11月04日付アル=ナハール紙(レバノン)HP1面

 [レバノン国内各勢力の]協議会があさって月曜日に開催されることは確実になったが、きのうの各方面の動きから見るかぎり、その期間や議題については議論の余地があるようだ。キリスト教マロン派のナスルッラー・ブトゥルス・スファイル総大司教は、「変化と改革ブロック」代表であるミシェル・アウン議員を迎えての会談で、アウン議員の示唆しているデモが「正常な道筋を外れて逸脱すること」への懸念を表明した。

 一方、「民主主義会合」代表であるワリード・ジュンブラート議員と「ムスタクバル・ブロック」代表であるサアド・アル=ハリーリー議員はパリから「レバノンは陰謀にさらされており、3・14勢力にはこれを阻止する責任がある」と宣言した。

■ ビッリー・セニョーラ会談

 アイン・アル=ティーナでは昨夜、協議会を呼びかけたナビーフ・ビッリー国会議長とフアード・アル=セニョーラ首相が会談を行った。セニョーラ首相の関係者はこの会談について「いい会談だった」と述べた。

 また同関係者は「提起されている様々な考えや問題について真剣で対話的な雰囲気の中で話し合えるよう、あくまで穏やかな雰囲気の中で月曜日の協議会にのぞむべきだとの意思が表明された」と語った。

■ ビッリー国会議長

 会合を前にしてビッリー国会議長は、「街頭における意思表示への方向性が単なる散歩にとどまらず、レバノン国内で起こっている闘争を国家間の駆け引きの一部としての闘争に変えてしまう危機への幕開けとなること」に懸念を表明した。また自らの提案の目標は「ミシェル・アウン中将の勢力のみを入閣させること」であると強調した。

 ビッリー議長は「政府の拡大あるいは改造のあり方をめぐって議論されていることについては全く関知していない」としつつも、「政府の打倒や首相交代の意図はない」と述べたという。また、「現時点でセニョーラ首相の代わりになる人物はいないが、アウン派の入閣のために政府を縮小ないし拡大するかどうかは、セニョーラ首相にかかっている」と述べたとのことである。

(中略)

■ アサド大統領

 同じくレバノン問題に関連して、政界の有力者がロンドンのアラブ諸国外交筋の話として伝えたところによると、先週ダマスカスにおいてシリアのバッシャール・アル=アサド大統領と会談を行ったイギリスのナイジェル・シャインワルド外交担当首相補佐官およびエリザ・マニンガム・ブラー情報局保安部(MI5)長官は、二つの問題について提起する任務を帯びていた。一つはガザ地区で捕虜になっているイスラエル軍兵士ギラード・シャリットの問題であり、それとともにパレスチナ内閣[の組閣]について便宜をはかるよう要請することである。もう一つはレバノンのヒズブッラーへの武器密輸の停止を求めることであった。ところが思いがけないことにアサド大統領は、イスラエルがゴラン高原から撤退するとともに国際社会がシリアの地位を見直すことと引き換えに、ヒズブッラーおよびハマースの問題について協力をしてもよいとの提案を行ったのである。

 アラブ外交筋によれば、イギリス当局はシリアの提案をアメリカ政府に伝えたとのことである。



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( 翻訳者:南・西アジア地域言語論(アラビア語メディア翻訳) )
( 記事ID:3877 )