国連安保理の制裁決議に対するイラン外務省の反応 ハムシャフリー
2006年12月23日付 Hamshahri 紙

2006年12月23日付ハムシャフリー

 イラン・イスラーム共和国は、我が国の平和的核計画に対して国連安保理が新たな決議を採択したことは、超法規的行為であり、国連安保理の義務から逸脱し、国連憲章の明確な規定にも反するものだ、との姿勢を示した。

 イラン学生通信の報道によると、我が国の外務省は、イランに対する国連安保理決議採択への返答として、次のような声明を発表した。

 「このような決議が発出されたことは、いまだに一部の国連安保理常任理事国、特に米英が同機関を自らの道具であるかのように利用しようとしていることを示すものである。彼らは、NPTが規定する自らの責務、特に核軍事技術・設備の他国への移転を控えるよう求めるNPT第1条、及び核兵器の廃絶を義務づけるNPT第6条を遵守していないばかりか、それとは反対に、自らの核兵器保有の拡大を続けている。

 国連安保理がこのような政治的で不当な行為を行っても、諸国家の正当かつ当然の権利を制限したり、そのような権利の実行・行使を妨げたりすることはできない。むしろ、国連安保理の決定に対する不信を招くだけだろう。

 石油産業の国有化を国際社会の平和と安全に対する脅威として、国連安保理に訴え圧力を加えるなど、英米が我が国の独立と主権に敵対する形で、これまで国連安保理を一方的かつ身勝手に利用してきたことを、イラン国民はきちんと記憶している。

 今日、シオニスト体制は核不拡散条約に加わることも、IAEA保障措置協定の監視下に入ることも拒否している。さらに同体制の首相は公然かつ公式に、核兵器の保有を宣言している。これに対して、国連安保理はいかなる措置も講じてはいない。国連安保理はイランの核計画とイスラエルの核兵器保有に対して、ダブルスタンダードなスタンスをとっており、このようなスタンスはイラン国民にとって到底受け容れられるものではない。それゆえイラン人民は、信用のおけぬ国連安保理の決定に、自らの将来を委ねるようなことはしてこなかったし、今後ともしないであろう」。

 イラン外務省は声明の中で、さらに次のように強調している。

 「この種の行為を繰り返し行うことで、国連安保理は誤った道を歩み続けている。それは、状況の複雑化と、我が国の独立と主権に対する戦略的脅威としての米英に対する、偉大なるイラン国民の不信の増大を招くだけだろう。
 
 イラン・イスラーム共和国の核計画は、体制指導者、知識人、そして世論がすべて一致して支持しているものであり、それゆえ米英が国連安保理において、イランの国益に敵対する形で超法規的かつ不当な行動を取ったことは、独立と主権を護持し、イランの未来のために自らの正当な権利を守り通さんとする、イラン国民の意志と決意を強めることになろう。最近行われた選挙で、イランの偉大なる国民がこの決意と意志を、世界の人々に対して盛大に示したことからも、このことが分かるであろう。

 イラン国民が核の全権利を完全な形で享受するのを阻まんとして、米英は国連安保理での新決議発出に自らのすべての政治的・法的な力を注いだのかもしれないが、威嚇や脅迫によってはイラン国民に進歩と発展を諦めさせることなどできないということを、斜陽の彼らもそろそろ気付くべきだろう」。

 イラン外務省はさらに、次のように強調している。

 「イラン・イスラーム共和国は国連安保理のこの種の行動を、核のアパルトヘイトを行使するもの、進歩的技術の保有の有無によって世界を南北に分割するものであると考えている。〔今般の安保理決議は〕その他の発展途上国もまた、平和的原子力技術の自立的獲得とその利用に向けて、真剣に歩み出す契機になるだろう。

 それゆえ、国連安保理の新たな決議は、イランが核の進歩の道を歩むことの障害にはなりえない。そればかりか、イラン国民は自らの国民としての能力に依拠し、NPTに則った自らの当然の権利の実現のために、すでに決められた計画に従って、平和的核計画を今後も継続することになるだろう。中でも、ナタンズにある3000ユニットの遠心分離器稼働計画を、〔原子力に関する〕平和的研究活動の継続的実施の一環として、IAEAの監視の下で開始し、粛々と推し進めることになろう。

 この種の行動を安保理でとったところで、地域の変動・安定・安全に対するイラン・イスラーム共和国の役割・地位・影響力から目を背けることにはならないということを、イラン国民の敵も認めるべきだ」。

 声明は最後に、次のように述べている。「イラン・イスラーム共和国はつねに、現実的で多辺的かつ実践的なアプローチによって、話し合いを通して、現在ある問題を解決することを望んではいるが、このような安保理での一方的で無責任かつ非理性的な行動は、話し合いのプロセスに寄与しないだけでなく、むしろ深刻な障害であるように思われる」。

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( 翻訳者:斎藤正道 )
( 記事ID:4207 )