国連安保理決議に国会が反発:IAEAとの関係見直しを求める法案を提出 イラン紙
2006年12月25日付 Iran 紙

2006年12月25日付イラン紙2面

 ■ 国会議長、昨日の国会公開本会議で、「アメリカ政府はいまだ教訓を学んでいない」と強調
 ■ 国会議員ら、「アメリカに死を」のシュプレヒコールをあげながら、政府にIAEAとの協力関係見直しを義務づける第二種緊急法案を可決

【政治部:ハサン・ヴァズィーニー】ヨーロッパが提案したイラン核活動に対する決議案が、原案の大幅な修正がなされたものの、〔国連安保理で〕採択されたことに対し、イラン国会は不法かつ不当な行為として強く反発した。

 一部の国会議員は土曜日〔12月23日〕の夜、同決議案が採択された直後に、非公式緊急会合を開き、アメリカの圧力の下で行われたとされる今回の行動への対応策につき検討した。

 これらの協議を受け、昨日国会の冒頭演説に立った有力議員らは、今回の安保理の行動に対して、際立った反応を示した。国連安保理及び5+1諸国の決定に対する抗議は激しさを増し、国家安全保障・外交政策委員会のアラーオッディーン・ボルージェルディー委員長らはIAEAとの関係を見直すよう政府に求める第二種緊急法案を提出するに至った。

 これらの議員は、ムハンマド・エルバラダイIAEA事務局長が提出した政治的かつ曖昧な報告が、安保理の決定に一定の影響を与えたと主張した。この法案は203議員中賛成148票をもって可決された。しかし一部の国会議員は、この単一条項法案の内容に異を唱え、より厳しい対応をとるべきだと主張した。

 テヘラン選出のサイード・アブーターレブ議員、及びカーシュマル選出のアフマド・ボルーキヤーン議員は、イランに敵対する側に対してメッセージを送る時期ではもはやなく、今やより断固とした決断を下すべき時期に来ている、との見方を示した。

 明日細則が検討される予定の同単一条項法案によると、政府はIAEAとの関係を見直すことが義務付けられている。これに対して反対議員らは、政府に対してNPTからの離脱とIAEAとの協力関係の断絶を明確に義務付けるような形で、条項が修正されるべきだと主張した。

 他方、国会の国家安全保障委員会は現在、イランに敵対するような決議が安保理で採択された場合には、いかなるものであれ、IAEA査察官のイラン入国を禁ずることを政府に義務付ける法案を、検討議題としている。この法案は以前からすでに、同委員会で検討されていたものであり、またハッダード=アーデル国会議長も、安保理各国がヨーロッパが提案した決議案の検討で合意に達した数時間前(土曜日夜)に、同決議案が採択された場合には、国会は上記法案を速やかに検討し可決することになるだろう、と警告を発していた。

 このような中、国会議員らは〔決議採択に対する〕自らの最初の公式な反応として、〔上記の〕第二種緊急法案を新たに提出し、さらにイランは政治的で道理に合わぬ圧力には決して屈しない旨強調する声明を発表した。この声明には、206名の議員が署名した。

 ある国会関係者は本紙《イラン》の記者とのインタビューで、国家安全保障委員会で別の法案が検討中である中で、新たに第二種緊急法案が提出された理由について、理性的で速やか、かつ緩やかな反応を示す必要からだとした上で、国会は同法案の可決によって、国益に合致したあらゆる種類の決定を政府が自由に下すことができるようにすることを意図している、と語った。

 同関係者によると、現在安保理決議をめぐっては、主に二つの意見が国会には存在しているとされる。一部はIAEAとの協力関係の即時断絶を求めており、さらには5+1諸国〔国連安保理常任理事国+ドイツ〕の大使の追放まで要求しているとまで言われている。しかし大半の議員は、安保理の行動に対しては、それに適した反応を示すべきであり、政府はあらゆる方向を検討した上で、正確な決定を下すことが必要だと強調している。

 〔後略〕

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( 翻訳者:斎藤正道 )
( 記事ID:4222 )