ラーリージャーニー、《原子力OPEC》の誕生に警戒を呼びかける ハムシャフリー
2006年12月05日付 Hamshahri 紙

2006年12月5日付ハムシャフリー

 ラーリージャーニー国家安全保障最高評議会書記はアラブの隣国に対し、地域の基地に駐留するアメリカ軍を退去させ、代わりに地域安全保障同盟を創設して、イランと同盟関係を結ぶよう求めた。

 AP通信電を引用したイラン学生通信の報道によると、アリー・ラーリージャーニー国家安全保障最高評議会書記は、ドバイで開かれた地域会議に参加したアラブの指導者たちに向けて、アメリカ政府はアラブ諸国の利益には無関心であり、アメリカにとって用無しになれば、すぐにでも見捨てられることになる、と述べた。

 アラブ世界、さらにはアメリカをはじめとする他の地域の政治・経済分野の指導者たちを前に演説を行ったラーリージャーニー書記は、さらに「地域の安全と安定は、われわれ自身が手に入れ、地域内部に確立すべきものである。われわれは、自らの足で立たねばならない」と語った。

 ラーリージャーニー書記はまた、アラブの指導者たちに対して、「イランはアラブ諸国との平和的共存を目指している。クウェートやバーレーン、カタールなどに存在するアメリカ軍基地による安全保障の傘は不要だ」と請け合った。

 ラーリージャーニー書記はその上で、「イランは結束を通じた地域の安定を求めており、地域のすべてのイスラーム諸国を支持している」と表明、イランの意図に対してアラブ諸国が懸念を有していることについて、「イランとそのスンナ派隣国は、アメリカやイスラエルに対して、共通の利害を多く有している」と訴えた。

 〔中略〕

 同書記はまた、〔核問題に関し〕次のように指摘した。「われわれは核兵器を求めてなどいない。化石燃料はそのうち枯渇する運命にある。そうなれば、われわれは原子力発電所が必要となる。原子力発電所にも燃料が必要だ。しかし、歴史的経験がわれわれに示すところでは、この燃料がわれわれに与えられることはないだろう」。

 さらにラーリージャーニー書記は、アラブ隣国に対して、「もしイランが外国の核燃料供給者への従属を受け入れたりすれば、このことはウラン濃縮活動へ向けた他のイスラーム諸国のあらゆる努力を制限するための手段として、利用されてしまうことになるだろう」と警告を発した。

 ラーリージャーニー書記はその上で、次のように述べた。「西洋の核交渉担当者らは、『イランにウラン濃縮の許可を与えることなどできない、なぜならもしそうなれば、同様の権利をサウジアラビアやエジプト、その他の諸国にも与えねばならなくなるからだ』などといっているのだ」。

 ラーリージャーニー書記はアラブ隣国に対して、さらに次のように述べた。「彼らはあなた方に、原子力発電所の保有は認めるだろうが、そのための燃料は彼ら自身が提供しようとするだろう。こうして、《原子力OPEC》が誕生する、というわけだ」。

 ラーリージャーニー書記はその上で、「イランは、核技術の利用に対する自国の権利を放棄するよう迫る圧力には屈しない」と表明した。

Tweet
シェア


現地の新聞はこちらから

 同じジャンルの記事を見る


( 翻訳者:斎藤正道 )
( 記事ID:4071 )