ハーメネイー最高指導者、イランの核の権利を強調 シャルグ紙
2006年03月11日付 Sharq 紙

2006年3月11日付シャルグ紙1面

 ハーメネイー・イスラーム革命最高指導者は木曜日の朝、専門家会議議員らと面会する中で、我が国の核問題の現実、さらにアメリカがイランに対して執拗に騒動を引き起こそうとする二つの主要な原因について説明した上で、次のように強調した。「最近の27年間、さまざまな時期を捉えて、アメリカは似たような数々の問題をイランに対して突きつけてきた。今日、イランの国民及びイスラーム共和国の責任者らは、これまで以上に力を蓄えている。水の中の鋼のごとく、いかなる圧力や陰謀にも耐えている。神に依拠し、理性と分別を活用し、団結と一体感を守ることで、最新の技術、特に核エネルギー技術の獲得へ向けて前進し続けている」。

 ISNAの報道によると、ハーメネイー最高指導者は、アメリカがイラン国民の核エネルギーの平和利用に反対する主要な理由として、イスラーム体制に対する心理戦争を継続するための口実を作ること、そして科学技術の分野でのイランの発展を阻止すること、の二つを挙げ、次のように付け加えた。「イマーム・ホメイニーの精神的影響力がもつ戦略的重要性、そしてイスラーム共和国体制がイスラーム世界に対して有する魅力ゆえに、もし今日、どの国であれイスラーム国で選挙が行われれば、イラクやエジプトと同様、人々はイスラーム政党に投票することになるであろう。このことを、アメリカはよく分かっている。このような現実のために、彼らにとって〔イランという〕イスラーム体制は我慢のならないものなのだ」。

 ハーメネイー最高指導者はまた、敬虔で自覚のある、経験豊富な国民に恵まれ、日々の進歩、国内の強固な体制、そしてイスラーム世界での深甚なる精神的影響力を有していることが、イスラーム体制の力の礎に他ならないとし、次のように指摘した。「偽らざるところ、イラン・イスラーム共和国への敵愾心ゆえに、アメリカはイランの体制及び国民に対して心理戦争を継続している。心理戦争には、口実が必要だ。今日、アメリカ政府は核エネルギーを心理戦争のための口実としている」。

 最高指導者は、アメリカが過去27年間イランに対する心理戦争継続のために作り上げてきた、さまざまな口実の存在に触れた上で、次のように指摘した。「いつものことだが、ある口実が何らかの理由で事実上使われなくなると、アメリカの覇権主義者たちは間髪置かずに、別の口実を作ってきた。というのも、彼らはイラン国民に対する心理戦争の継続を、イスラーム体制との対決の主要な方法であると考えてきたからである。それゆえ、たとえもしイラン国民・政府が今日核エネルギーで譲歩し、後ろに引いたとしても、騒動が終わることはなく、アメリカは別の口実をこしらえるだけであろう」。

 ハーメネイー最高指導者は、核問題でイランがIAEAに継続的に協力してきたことに触れ、「過去2年半、イラン政府は問題解決のためにあらゆる方途を模索してきたが、結局ヨーロッパ側が言ってきたのは、信頼のためには、あらゆる活動から手を引け、ということであった」と述べた。

 ハーメネイー最高指導者はアメリカがイランに対して騒動を起こす二つ目の理由、すなわちイランの科学技術の進歩の阻止について、「今日の世界では、科学力こそ経済・政治力の基礎である。アメリカはこのことを理解した上で、イランが科学立国となることを邪魔しようとしている」と述べた。

 最高指導者はまた、世界の各国が核エネルギー生産に努力していることを指摘した上で、次のように強調した。「もし国が核エネルギーに依拠した発電を行わなければ、今後重大な問題に直面するだろう。それゆえ、核エネルギーは真の必要性にもとづいたものなのである。責任者たちは圧力に屈することなく、進歩的技術、就中核エネルギー技術の獲得へと邁進を続ける義務がある」。

 さらに最高指導者は次のように論じた。「敵の真の目的を理解すべく、その動き全体を注視する必要がある。もし核エネルギー問題でわれわれが妥協すれば、次は学術研究活動そのものが問題として取り沙汰されるだろう。イラン国民がこれまで繰り返し経験してきたことからも、またアメリカの全体的な目的に対する考察からも、このことは明らかだ。それゆえ、問題は単に核エネルギーに限ったことではないのだ。《口実を探し求める敵の執拗な努力》はイランの進歩、力、繁栄そのものの阻止を目的としている。この現実こそが、核問題をイランの命運を左右する問題にしているのである。偉大なる国益とイランの将来を認識するならば、核問題で妥協してはならない。革命の勝利に続いて数々の重大な問題がわれわれに振りかかったが、その時と同様に、今後のありうべき困難に耐えて抵抗し、勝利を勝ち取らねばならない」。

 ハーメネイー最高指導者は、NPTに基づいた核エネルギーの享受はすべての国の権利であるとの見方を示した上で、イランの核エネルギー利用の権利を公式に認めるとの一部西洋諸国の発言に触れ、「この正当かつ合法的な権利を〈公式に認める〉と言ったところで、全く無意味である。なぜならば、この権利は国際的な条約ですでに公式に認められているからだ。この権利を利用するにあたって、ヨーロッパ諸国から公式に認めてもらう必要など、さらさらないのだ」。

〔後略〕

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( 翻訳者:斎藤正道 )
( 記事ID:2038 )