2006年度中に国産原子力発電所建設へ:電力相 シャルグ紙
2006年03月13日付 Sharq 紙

2006年3月13日付シャルグ紙1面

【経済部:レザー・ザンディー】電力省は、来年〔2006年度〕にも原子力発電所を建設する意向である。「国産の原子力発電所建設に向け、すでに準備は整っていることを、ここに高らかに宣言する。アーガーザーデ原子力庁長官より、すでに〔発電所の〕設計図を入手しており、このことは大統領にも、正式に伝達済みである」。

 電力相は昨日朝、記者団をニヤーイェシュにある新庁舎に招き、「発電所建設へのゴーサインはすでに出ている。電力省は原子力発電所を建設する予定だ」との重大な発表を行った。国産原子力発電所建設計画の詳細について、セイエド・パルヴィーズ・ファッターフ電力相は次のように語った。「先週、建設予定地の一つをじっくりと視察したところである。2日間検討した結果、原子力庁の側で原子力発電所用の燃料を生産し、それを電力省側に提供することが可能であるとの確信を抱くに至った」。

 「国内の専門家らによって建設される予定の原子力発電所が、実際に着工されるのはいつか」との本紙の質問に対し、電力相は「我が方の提案は、すでに原子力庁に提示済みである。来年〔2006年度〕の上半期にも、原子力発電所の建設が開始されるだろう」と答えた。

〔中略〕

 ▼電力相「われわれはロシアに対して不満をもっている」

 電力相は、核エネルギー問題をめぐる政治的争いに立ち入るつもりはないとして、「政府省庁は政治的な存在ではないし、われわれの方からそのような空間に分け入る用意もない。核エネルギーを利用して電力を得ることは、われわれにとって不可避であるということを、専門的、技術的観点からのみ述べるにとどめたい」と語った。

 セイエド・パルヴィーズ・ファッターフ電力相はさらに、国の電力供給不足を解消するためには、先進諸国と同様、原子力発電所建設を推し進める必要があると述べた上で、「我が国の原子力発電所一号基は、ロシアが建設している。われわれは1000メガワットの発電を、ブーシェフル原子力発電所に見込んでいる」と語った。

 「最終的にブーシェフル原子力発電所はいつ稼働するのか」との本紙の問いに対し、ファッターフ電力相は「ロシア側は2006年の終わりまでには、ブーシェフル原子力発電所を納品すると約束している。とはいえ、彼らは過去数年間、何度も完成を約束しておきながら、それを引き伸ばしている」と述べた。大統領に近い関係をもった閣僚の一人であるとされる電力相は、この機にブーシェフル発電所建設におけるロシア側の遅れに対し、不満をぶつけた。「われわれはロシアに対して不満をもっている。ブーシェフル発電所建設終了に設定されたこの期日(2006年)が、もう一度引き伸ばされるようなことがないよう、期待する」。

 ▼なぜ原子力発電所が必要なのか

 現在イランの電力は、主に火力発電所によって供給されている。燃料として用いられているのは天然ガスで、天然ガス消費量がピークに達する冬場には、重油も用いられる。セイエド・パルヴィーズ・ファッターフ電力相によると、仮に重油その他の火力発電に必要な燃料をすべて天然ガスに換算するならば、その消費量は総計1億5千万立方メートルとなり、国内の天然ガス消費量4億立方メートルの約3分の1を占めることになるという。

 「電力生産量を12万メガワットに到達させるためには、約6億立方メートルの天然ガスが必要となる」。そして記者団に対し、「この量の天然ガスを〔電力生産のために〕供給できるのか、石油省に尋ねてみると良い。間違いなく答えは〈否〉である」。その上で、電力相は結論として、イランで将来見込まれている12万メガワットの需要をまかなうためには、原子力発電所を建設する以外に方法はないと述べた。

〔後略〕

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( 翻訳者:斎藤正道 )
( 記事ID:2065 )