アラブ連盟事務局長:アメリカのイランへの主張はアラブ諸国にとって効果がない ハムシャフリー紙
2006年05月23日付 Hamshahri 紙

2006年5月23日付 ハムシャフリー紙1面

[政治部]
 アラブ諸国の政府当局はイランの核問題に対してより積極的な役割を演じようとしている。最近、国家安全保障最高評議会及びイラン外相はアラブ諸国で会見を行い、その後、ロシア及びドイツ政府当局も会見のために同地域を訪れた。

 イランの核問題に対するアラブ諸国の議論は「世界経済フォーラム(WEF)中東会議」において頂点に達した。この会議は日曜日に(エジプト東部)シャルムエルシェイクで開催された。

 アラブ連盟のアムル・ムーサー事務局長はシャルムエルシェイクで開かれた記者会見において次のように述べた。「アラブ連盟事務局長は中東、特にシオニスト体制(イスラエル)が核兵器と大量虐殺兵器から武装解除されることを願っている。我々はこの地域において、イランであれ、イスラエルであれ、他のどの国であれ、核の軍事的利用の必要はない。」

 バーレーン副首相シャイフ・アブドッラー・ビン・ハーリド・ハリーファもロイター通信に対して次のように述べた。「我々の立場は明らかである。我々はペルシア湾において核兵器が存在しないことを願っているのであり、核に対する知識が存在しないことを願っているのではない。」 

 同氏はまた核の平和利用に対するイランの権利を強調して次のように述べた。「我々は核兵器について懸念しているのだが、イラン人はそのような計画はないと言っており、我々は平和的利用のために核の可能性を発展させることは問題ないと言おう。」

 クウェート外相シャイフ・ムハンマド・サバーハ・アル・サーリム・アル・サバーハも昨日ドイツ外相フランク=ヴァルター・シュタインマイヤーとの会見において、近々行われるイラン政府当局とペルシア湾岸協力会議の代表者らとの会談について報告した。

 また同氏はペルシア湾岸協力会議(CGI)参加諸国の使節団によるテヘラン訪問について発表した際にも、この会談の目的はイラン、国際社会、及びIAEAとの完全な協力であると強調し、さらにイランの核開発に対する懸念について「ペルシア湾地域全体においてこの懸念は明らかである」と述べた。また前回のペルシア湾岸協力会議(CGI)では「中東における核開発に対する懸念は空想上の危機ではなく現実の危機である」と表明された。

●西欧諸国とアラブ諸国当局との会談

 シャルムエルシェイクの会議に参加したアメリカ国会議員の一部もエジプトの大統領ハサニー・ムバラクとの会見において、国際問題に関する会談に続けてイランの核問題について触れた。

 アメリカ合衆国外相もシャルムエルシェイクの会議において、トルコのレジェップ・タイップ・エルドアン首相と会談し、イランの核問題についてアンカラによるワシントンへの協力を要請した。これに対してエルドアン首相はターキッシュ・デイリー紙が報じたように「我々の見解ではイランは核の平和的開発に対する権利があるが、我々は核の軍事的利用に対しては反対である」と返答した。

 ロシア外相も中東諸国訪問に際し、サウジアラビア外相サウード・アルファイサルとの会見のためにサウジアラビアを訪れた。アルファイサルとロシア外相ラブロフは「両国は対イラン制裁への反対で完全に一致している」と表明した。

 ロシアのある外交官もフランスの報道機関に対して「サウジアラビアはロシアに対して、イラン攻撃に対して国連という仮面を用いようとするワシントンのあらゆる努力を行き詰まらせるように要請した」と述べた。これに対して、サウジアラビアの内務大臣マリク・ナーイフは昨日同国の大学及び通商関係者の前で、中東に対する攻撃の可能性をなくすため、イランによるウラン濃縮停止を求めた。

(後略)


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( 翻訳者:下山伴子 )
( 記事ID:2517 )