いかなる提案であれ、イランの権利が認められることが前提:アーセフィー報道官 ハムシャフリー紙
2006年05月22日付 Hamshahri 紙

2006年5月22日付ハムシャフリー紙

【政治部】イラン外交政策に影響力を有する公式関係者二名が述べたところによると、イランは依然としてヨーロッパによる提案に対し反応を示してはいないが、イランの権利の保護と燃料サイクルの保有がイランにとって基本的な条件であり、もしこの条件が提案に含まれるのならば、この草案の詳細について協議に入ることができるだろう、ということである。

 ハミードレザー・アーセフィー・イラン外務省報道官と、イスラーム評議会(国会)の国家安全保障・外交政策委員会のアラーウッディーン・ボルージェルディー委員長は昨日、それぞれ記者会見に出席し、ヨーロッパの提案に対する初めての反応を示した。欧州側の提案は最終化されておらず、いまだイランに正式に伝達されたわけではないが、最終的な提案がいかなるものになろうとも、なによりもイランの基本的な権利、つまり核燃料サイクルの保有が考慮されなければならない、というのがイランの立場である。

 アーセフィー外務省報道官は昨日、週の定例記者会見において、記者団に対し、次のように言った。「未だ正式に提示されていない未完成の提案について意見を述べるのは時期尚早であるが、イランの基本姿勢は明らかである。すなわち、イラン・イスラーム共和国の権利は、正式に認められなければならない、ということだ」。

 アーセフィー報道官はさらに次のように加えた。「我々は、協議の可能性が閉じられたとは考えていない。イラン国家安全保障最高評議会書記がトルコ共和国やギリシアを訪問するなど、政府関係者が外国訪問をたびたび行っているのも、このためである」。同報道官はその上で、ラーリージャーニー書記の最新のウィーンへの訪問は、IAEAとの協力と話し合いを目的とするものであるとの理解を示した。

 アーセフィー報道官はまた、「イランが濃縮活動を停止することはない」と強調した。

このように、中東地域での外交活動は極めて活発であり、アーセフィー報道官によると、このような動きは現下の状況においては自然なことであるという。ドイツ外相は1週間の日程で、ペルシア湾岸6カ国を訪問する。北京では、ドイツのアンゲラ・メルケル首相が中国側と会談し、中国に対し、アメリカと協調姿勢を取るよう働きかけている。

 こうした中、再度ロシアのセルゲイ・ラブロフ外相が均衡を打ち破り、ウラン濃縮はイランの権利であり、この点でイランに譲歩させることはできないと宣言した。ラヴロフ外相は記者団に対して、「イランとのウラン濃縮協力に関するロシア提案は、未だ議論の余地がある」と強調しているとはいえ、しかし、アメリカ、フランス、イギリス、及びドイツの強硬かつ強引な動き・姿勢に反対するロシアの立場に変わりはない。最近では、日本までもが米仏英独4カ国に加わった模様である。

 昨日のシャルムエルシェイフ経済会議においてもまた、議題の中心はイランの核問題であった。そして核兵器保有国であり、〔核に関する〕国際条約に何ら制約されてもいないパキスタンの大統領も、またアメリカに対してイランに圧力をかけぬよう要請した。

 APは、ヨーロッパはイランへの提案を修正するかもしれない、と報じている。

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( 翻訳者:井上貴恵・深澤野絵 )
( 記事ID:2540 )