モッタキー外相:「期限は設定されていない。6カ国の提案の検討には時間が必要だ」 イラン、6月29日の回答期限を否定 シャルグ紙
2006年06月21日付 Sharq 紙

【政治部】アゼルバイジャンの首都バクーで行われている第33回イスラーム諸国会議機構(OIC)外相会議は、イラン外相が、他国の外相らと核問題の協議を行う場となっている。イランは数日後に、ヨーロッパの提案に対する回答を6カ国に提示しなければならないため、この協議は重要なものである。このため、OIC加盟国の51使節団の会合の前に、イランの核問題解決がOIC外相会議の中心議題の一つに据えられた。

しかし、外相会議の初日、イランに対するアメリカのブッシュ大統領による新たな威嚇的発言があった。ブッシュ大統領は、アメリカの商船大学校での演説で、もしイランが西側との核協議前に核活動を停止しない場合、経済的、政治的な制裁を徐々に強めていくことになるだろうと語った。同様に、イラン政府はアメリカがイランとの多国間協議に加わる前に、ウラン濃縮計画を中止すべきだと述べた上で、イランに核兵器が存在することが一つの脅威であると語った。

この脅威的な米大統領の発言に対し、昨日マヌーチェフル・モッタキーイラン外相も黙ってはおらず、OIC外相会議の場を借りて、「ブッシュ大統領の発言は受け入れられない。脅してすむ時代は終わっていることを、忘れているようだ。イランの政治的な権利は尊重されなければならない」と強調した。

モッタキー外相は、事実上、核問題解決のための2回目の提案となる6ヶ国からのイランに対する包括案について、イラン政府はまだ西側の提案全体について決定を下していないと語った。

一方で、フランス通信は昨日、外交官の言葉として、ソラナEU外交代表がイランに、6カ国の提案に対するイラン政府の回答を6月29日まで待つと伝えていることを報じた。この外交官によれば、ソラナ代表は、この非公式の最終期限を、イランに対する6カ国の見返りと懲罰を提示する時だと伝えている。これまでにも数度、西欧諸国高官は、回答の為にイランに与えられている2週間の猶予について語ってきた。イランの政府高官がこの件に関して、あらゆる最終期限を否定し、6カ国の提案の検討には時間が必要だと伝えてきたにもかかわらず、である。

いずれにせよ、モッタキー外相は昨日、イランが現在6カ国の提案全体に対する検討を行っていることを今一度伝えるとともに、イランに対し回答期限が設定されていることを再度否定した。一方、ソラナ代表は、アリー・ラーリージャーニー国家安全保障最高評議会書記と6月29日以前に会談を行う予定であるとも伝えられている。これは先週ラーリージャーニー書記が、アラブ・アフリカ3カ国訪問を終えた直後のソラナ代表と会談を行う予定だったが、病気のためキャンセルされ、代わりにモッタキー外相がスペインに派遣されてヨーロッパ各国の政府高官と会談を行ったことを受けている。

(後略)


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( 翻訳者:關岡 敦子 )
( 記事ID:2776 )