ラーリージャーニー氏:イラン核問題に対する提案は評価できるが、曖昧な部分もある ハムシャフリー紙
2006年06月07日付 Hamshahri 紙

【政治部】EUのハビエル・ソラナ外交代表は昨日、イランのラーリージャーニー国家安全保障最高評議会書記および外相と会談し、最終的に、「現段階ではあと数日、この包括案は公表されないが、その詳細は数日中に発表される」と述べた。これまでに何度もイランを訪れている同代表は、二つの公式会見を行った後、テヘランを後にした。

 昨日午前ソラナ代表は、イランの核交渉責任者であるラーリージャーニー氏の元を訪れた。ラーリージャーニー氏はこの会見の後で包括案について、「提案は評価できるが、同時に曖昧なところもある」と語った。また、「フランス、イギリス、アメリカ、中国、ロシアから送られた提案をイランは検討する」と伝えた。さらに、「イランの核問題は話し合いで解決されるべきだとするヨーロッパ側の信念は正しいもので、これこそイランが何度も強調してきたことである」と述べた。

 ラーリージャーニー氏はまた、ソラナ代表及び核問題交渉を担当するヨーロッパ各国の外務省高官のイラン訪問に感謝した。ソラナ代表もまた、ラーリージャーニー氏との会見後、「EU、アメリカ、ロシア、中国の代表としてイランを訪問した。今回の訪問の目的は、イランとこれらの国々が恒久的な合意に至るような提案をすることである」と述べた。さらに、ラーリージャーニー氏との会見について、「現時点で包括案はイランに提示された。我々はこれから数日、イラン首脳陣からの連絡を待つことになる」と説明した。ソラナ代表は建設的な状況の中で、包括案を提示した。イラン入国時にも記者団に対し、建設的な状況でこの案を提示する旨語っていた。

 ソラナ代表は、国家安全保障最高評議会事務局を出た後、外務省へ出向き、マヌーチェフル・モッタキー外相と会談した。1時間の会談後二人は記者会見を行い、この中でモッタキー外相は、包括案検討後、イランの見解を(国連安全保障理事会の常任理事国+ドイツの)6カ国に伝えると述べた。

 モッタキー外相は、「包括案で提示された内容をイランが検討し、精査後イラン側の意見を6カ国に伝えることになった」と述べた。また、ソラナ代表のイラン訪問に感謝した。続いて、包括案に関するソラナ代表への記者団からの質問が始まった。

ファールス通信によると、ソラナ代表は「この包括案は現在協議中であり、その内容についての話は数日待ってほしい」と記者団に要請した。包括案についての最新の情報は、昨日、包括案に数項が付け加えられたということだ。このニュースは、ニューヨークタイムズが発表したもので、その時点ではすでに包括案が最終案であると発表されていた。この件に関して、ホワイトハウスのトニー・スノー報道官にも質問が向けられたが回答は無かった。しかし、同報道官は、フランス通信に対し、イラン政府が核問題解決の為に取られた介入措置を受け入れてくれることを望むと語った。

ドイツ通信も昨日、フランスのシラク大統領がドイツ首相との会談の際、イランが提案を受け入れることを希望したと報じた。さらに、シラク大統領は、「イランが交渉の場に戻り、合意を形成する機会を得たい」と述べた。いずれにせよ、イランは提案を検討し、返答すると発表している。


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( 翻訳者:關岡 敦子 )
( 記事ID:2650 )