レバノン停戦決議案で米仏が合意 月曜日か火曜日に採決か(アル・ナハール紙)
2006年08月06日付 Al-Nahar 紙

■ リタニ川に到る緩衝地帯の設置、「ヒズブッラーの全攻撃」の禁止、国連憲章第7章に基づく国際部隊派遣の準備
■ 米仏の停戦案、月曜日か火曜日に採決へ
■ レバノン、「鉄と火」の交渉に突入 代替案を提示

2006年08月06日付アル=ナハール紙(レバノン)HP1面

【ワシントン:ヒシャーム・ムルヒム】
【その他各国の首都:本紙および諸通信社】

 アメリカとフランスは昨日、イスラエルとヒズブッラーの間の即時停戦を求める安保理決議案に合意した。これに対してレバノン政府はただちに「問題を解決するよりも悪化させる」として同決議案に反対の意思を表明した。いっぽうヘブライ国家は同決議案を「非常に重要」と見なしつつも、軍事作戦を迅速に遂行しようとしている。

 米仏の合意が発表された後、安保理理事国15ヶ国は「ヒズブッラーのすべての攻撃とイスラエルのすべての攻撃的軍事作戦の即時停止にもとづく戦争行為の全面停止を求める」決議の検討のために非公開会合を開いた。会合終了後すぐに、フランスのジャン・マルク・ドゥ・ラ・サブリエール国連大使は決議案に対する最初の反応に満足を表明した。アメリカ政府高官は、決議案への投票は明日か明後日の外相級会合において行われるとの見通しを示した。採択された場合、決議は現在の危機に対する初めての実際的な反応となる。

 ホワイトハウスのトニー・スノー報道官は、クロフォード牧場で休暇中のジョージ・ブッシュ米大統領が「決議案への合意を喜んでいる。大統領は決議案を全面的に支持している」と伝え、ワシントンは安保理が「月曜日か火曜日に」決議の採決を行なうだろうと見ていると述べた。そして、「複数の決議が採択されることになるだろう」としつつも、その詳細には言及しなかった。

(中略)

■ 鉄と火

 これらの展開の中でレバノンは、二本の白熱した線に沿って行動を展開していたと言えるだろう。その一本目は25日目になっても相変わらず激烈に展開されている戦争の線であり、もう一つは安保理の舞台から伝わって来はじめた解決策模索の線である。有力な関係者の表現によれば、「それは鉄と火の交渉」であった。そのなかでも注目を集めたのが、ベイルートで昨日行なわれたアメリカのデイヴィッド・ウェルチ国務次官補(中東問題担当)の各方面との協議であった。それを通じて明らかになったのはアメリカとフランスの協議にもとづき準備が進められている決議案と、レバノンが提示し、閣僚会議が昨夜の特別会合であらためて堅持を表明した7項目とのあいだに未だに溝があることであった。

■ セニョーラ首相とライス国務長官

 フアード・アル=セニョーラ首相は閣僚会議会合の前にアメリカのライス国務長官から電話連絡を受け、停戦に到達するため安保理において行われている協議に関する最新の情報について意見を交換した。セニョーラ首相は、ジョージ・ブッシュ大統領が休暇を過ごすテキサスに向かう飛行機の中にいたライス長官に対し、米仏案はレバノンの見解に応えていないとコメントし、ライス長官のテキサス到着後に協議をつづけることで合意した。

 閣僚会議会合の後、セニョーラ首相はあらためてライス長官と45分間に及ぶ電話会談を行った。セニョーラ首相は安保理で提議された決議案に対する反対意見を述べ、同決議案はレバノンにおける問題を解決するよりも悪化させるとの見解を示した。

(後略)



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( 翻訳者:工藤章 )
( 記事ID:3247 )