仏アラブ世界研究所でアラブ映画祭開催、レバノン・パレスチナへの連帯を表明(サバーフ・ジャディード紙)
2006年08月01日付 al-Sabah al-Jadid 紙

■「 ベイルートがバグダードになるとは!!」

2006年08月01日付サバーフ・ジャディード紙(イラク)HP1面

【パリ:諸通信社】

7月22日から30日までの間パリで行われていた第8回アラブ映画祭で、「ベイルートの日記・真実と嘘とビデオ」と題されたレバノンのメイ・マスリー監督の作品がアラブ世界研究所(L'Institut du Monde Arabe)の長編ドキュメンタリー映画賞を受賞したと発表されると、盛大な拍手が沸き起こった。

メイ・マスリー監督は29日土曜日の夜に行われた表彰式には出席せず、パリ在住のレバノン人ジャーナリスト、ホダー・イブラーヒームが代役としてこの素晴らしい賞を受け取り、「この時期、ベイルートに留まることを私は選ぶ。この賞をパレスチナとレバノンの若者たちに贈る」とのメイ監督の言葉を伝えた。

アラブ映画祭閉会式のスピーチでは、「レバノン・パレスチナ両国民との連帯」という表現が繰り返し語られた。アラブ世界研究所のイヴ・ゲナ所長はフランスとレバノンの深い関係をたたえたのち、「フランスとアラブの友好万歳、レバノン万歳」という言葉で自身のスピーチを締めくくった。

パレスチナとレバノンとの連帯は、最優秀男優賞を受賞するために演壇に登った名優ヌール・シェリーフのスピーチでも強調された。ヌール・シェリーフは最優秀劇映画賞を受賞した若き映画監督マルワーン・ハーミドの作品、「ふたりのヤアクービーの家」で共演したアーディル・イマーム、ハーリド・サーウィーと同賞を分け合った。

会場からはイラクの名も連帯のリストに加えるよう求める声が上がり、ヌール・シェリーフはイラクの名前をうっかり言い忘れたと謝罪、イラクに対する愛着とイラク問題への支持を強調した。

一方「夢」という作品で審査員特別賞を受賞したイラク人のムハンマド・ダラージーという若い監督は受賞スピーチで、映画の最後の技術的仕上げを一連の事件の直前にベイルートで行わなければならなかったと語り、その際「ベイルートの美しさを前にして『いつバグダードはベイルートのようになるだろうか』と独り言を言ったものだが、ベイルートがバグダードのようになるとは」と述べた。

マグレブ諸国や在仏マグレブ移民の映画関係者たちも、2つの審査委員会からの受賞の際にスピーチし、東アラブ圏の同胞との連帯を強調した。(後略)



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( 翻訳者:垣平浩明 )
( 記事ID:3269 )