停戦決議発効を前にレバノン閣僚会議延期 政府内対立か(アル・ナハール紙)
2006年08月14日付 Al-Nahar 紙

■ 閣僚会議会合、突然の延期
■ レバノン国軍の展開は今日の決定的な試練の成り行き次第
■ 午前8時、戦争の終わりか、休戦の始まりか?
■ イスラエル軍がまたしても虐殺 ベイルート南部郊外に大量の砲弾投下

2006年08月14日付アル=ナハール紙(レバノン)HP1面

 今朝の8時は、昨日で33日目となったイスラエルの対レバノン戦争が終結する時刻となるであろうか。それとも国連安保理決議第1701号の内容を当事者がどう読むかによって常に崩壊の可能性にさらされる脆弱な休戦状態の始まりとなるのであろうか。

 イスラエル政府は昨日、第1707号決議に合意するとともに今日から戦闘行為を停止することを発表した。これを受けて国連決議にうたわれている最初の措置が月曜日にとられ、それとともにその他の一連の措置が開始されることになるが、実施にあたっての諸々の複雑な問題や疑問点はなおも残っている。特に軍事面および政治面における戦争のこれまでの結果からして、レバノン南部と国境地帯への拡大国際部隊とレバノン国軍の展開が始まると同時にイスラエル軍がブルー・ラインの向こう側へ撤退するまで少なくとも1週間は、現場において小競り合いがつづく可能性は十分にある。

 したがってレバノンはこれからの24時間、イスラエルがどれだけ侵略と戦争行為の停止を遵守するか見守ってゆくことになる。ヒズブッラーもイスラエル北部に対するミサイル攻撃を停止するため、イスラエルが停戦を遵守するのを待つことになる。レバノン軍はイスラエルが南部の拠点や土地を占領しつづけているかぎり展開することはできないが、イスラエルはレバノン軍と拡大国際部隊の展開が撤退の条件だとしている。消息筋によれば今日は全ての当事者にとっての最初の試練であり、決議が完全に遵守されれば明日にもレバノン軍と国際部隊の展開に向けての実務的な措置が開始され、基礎的な一歩が踏み出されることが期待できる。フランスはレバノン沿海に待機している先遣部隊の派遣を準備している。

 こうした要因が昨夜予定されていた閣僚会議延期の主な理由だと見られる。開催時刻まで1時間を切った段階で突然、会議の延期が発表された。しかしフアード・アル=セニョーラ首相はガイル・ペデルセン国連事務総長個人代表に対して昨夜、レバノン政府は今日午前8時に発効する戦争行為停止の合意を遵守すると伝え、「これは政府のメンバー全員の一致に基づくものである」と明言した。

 閣僚会議が延期されたことで不安な空気が広がり、戦争を終結させレバノンが第1701号決議にうたわれた義務を遵守すべき決定的な瞬間を前にして、政治的対立が顕在化し、政府が分裂する可能性が生まれるというそのタイミングゆえに、その空気は危険性を帯びたものとなった。ヒズブッラーが武器の引き渡しについて検討することを拒否したとの情報が伝えられると、さらに不安な空気がかき立てられ、閣僚会議ではもともとこの問題について話し合うことが予定されていたのではないかとの憶測がなされた。またセニョーラ首相が首相府において3・14勢力系の閣僚と会合を行なったため、ヒズブッラーが国連決議への合意遵守の立場から後退したのではないかとの懸念が高まった。その一方で、戦場においては7月12日の開戦以来最も激しい戦闘が展開された。

(後略)



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( 翻訳者:新谷美央 )
( 記事ID:3335 )