シリア大統領「シリア・レバノン国境への国際部隊展開は敵対行為」(アル・ナハール紙)
2006年08月23日付 Al-Nahar 紙

■ ヨーロッパ諸国、UNIFIL参加について国連事務総長と金曜日に協議へ
■ アサド大統領「シリア・レバノン国境への国際部隊展開は敵対関係を生む」

2006年08月23日付アル=ナハール紙(レバノン)HP1面

 国連レバノン暫定軍(UNIFIL)の増強をめぐる問題は今なお多くの困難に直面している。ブリュッセルでは金曜日にコフィ・アナン国連事務総長の出席の下で欧州連合(EU)の外相会議が開かれる予定であり、これを通じてそれらの困難が克服され、拡大部隊へのヨーロッパ諸国の参加の規模が決定されることが期待されている。レバノンに最も多くの兵員の派遣を予定しているのはイタリアであることから、部隊の指揮は同国に委任されることがほぼ確実になっている。

 いっぽうアメリカのジョン・ボルトン国連大使は、ヒズブッラーの武装解除問題については安保理決議第 1701号には盛り込まれていないとして、新たな決議を採択することに関して国連内部で議論が行なわれていると述べた。

 こうして国連軍の増強部隊へのヨーロッパおよび世界各国の参加について決着が待たれるなか、シリアのバッシャール・アル=アサド大統領は国際部隊をレバノン・シリア国境地帯に展開させることに反対を表明し、そのような措置はレバノン・シリア両国の間に「敵対状態」を生み出すことになるとの見方を示した。

(中略)

■ アサド大統領の発言

 シリアのアサド大統領はドバイのテレビ局「ドバイ・チャンネル」のインタビューの中で、国際部隊をシリア・レバノン国境地帯に展開させるのは「敵対的な姿勢」であって両国の間に「敵対状態を生み出す」ことになると警告した。またアサド大統領はレバノン政府に対して、自らの責務を全うし、シリア・レバノン両国の関係を悪化させないよう呼びかけた。またシャバア農場地帯の国境画定については、イスラエルの占領下に置かれているかぎりは行なわれることはありえないとの立場を示した。アサド大統領は「ヒズブッラーの勝利は、イスラエルに教訓を与えるのに十分であった」と述べるとともに、シリアが孤立しているとの見方を否定し、「シリアを孤立化させる者は自らを根本的な問題から遠ざけることになる」と述べた。

 またアサド大統領はこうした状況にもかかわらず「平和を実現するチャンスはある」と述べ、ただしそのチャンスを捉えるための「時間は少なくなってきている」と指摘し、「今の世代は平和を実現しうる最後の世代だ」と注意を喚起した。

 ドバイ・チャンネルではアサド大統領の発言を今日ノーカットで放映する予定。


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( 翻訳者:森晋太郎 )
( 記事ID:3343 )