イスラエル軍、バアルバック付近に降下作戦(アル・ナハール紙)
2006年08月20日付 Al-Nahar 紙

■ 武器の流入阻止を口実に 兵士1名の死亡を発表 ヒズブッラー戦闘員2名を捕獲と主張
■ イスラエル、ベカーア高原に戦場を移す レバノンは「あからさまな停戦違反」と非難
■ レバノン国軍の南部展開と同時に、各国境地帯で封鎖の解除に向けての措置

2006年08月20日付アル=ナハール紙(レバノン)HP1面

 昨日の早朝バアルバック西部におけるイスラエルの降下作戦は、レバノン国軍の展開が進みつつあり、さらに増強された国際部隊の誕生によって安保理決議第1701号の要求の実施が可能になることが待ち望まれているレバノン南部から脚光を奪い去った。レバノンはフアード・アル=セニョーラ首相が声明したように、この降下作戦を第1701号決議に対する「あからさまな違反」とみなし、イリヤース・アル=ムッル国防相は閣僚会議に「国軍展開の停止」を提案する可能性を示唆したが、イスラエル側はこの降下作戦は「ヒズブッラーへの武器供給を禁ずる安保理決議第1701号の違反への応答」であり、再び「戦火が燃え上がる」可能性もあると述べた。またイスラエル軍は「ヒズブッラーの戦闘員2名を捕虜にした」と語った。

 この展開に対する国連の立場はレバノンの立場と同様であったが、同時に事実の確認に努めている。これに関連して国連のテリー・ロード・ラーセン特使は、もしもヒズブッラーの武器密輸が明らかになれば、それは休戦への違反となると述べた。

 ワシントンではホワイトハウス報道官が「シリアおよびイラン側からのヒズブッラーへの武器補給を阻止することは安保理決議第1701号の主要な項目である」と述べた。

 今回の展開は、国連のコフィ・アナン事務総長が派遣したビジャイ・ナンビアール事務総長特別顧問とテリー・ロード・ラーセン特使がベイルートにおいて、第1701号決議の履行監視に関して協議を行うとともにアナン事務総長のベイルート訪問を進めるなかで発生したものである。

(中略)

■ イスラエル軍の降下作戦

 治安関係者によれば、イスラエル軍のヘリコプター2機に輸送された車輌2台が特殊部隊を乗せ、明け方にヒズブッラーのブダイ地区の幹部であるムハンマド・ヤズバク師の事務所へ攻撃に向かうところをヒズブッラーの戦闘員が発見し、これらの車輌に対して待ち伏せ攻撃をしかけた。双方の間で戦闘が行なわれ、激しい空爆による援護の下でイスラエル軍側は撤退した。

 また同筋によれば、戦闘ではヒズブッラーのメンバー3名が死亡したとのことであるが、ヒズブッラーはこれを否定した。イスラエル軍は将校1名が死亡し、兵士2名が負傷したと伝えた。

(後略)



Tweet
シェア


現地の新聞はこちらから

 同じジャンルの記事を見る


( 翻訳者:工藤章 )
( 記事ID:3350 )