アラーク重水施設、稼働 ハムシャフリー紙
2006年08月27日付 Hamshahri 紙

2006年8月27日付ハムシャフリー紙

【政治部】大統領は「われわれは、いかなる国にとっても脅威とはなっていない。地域諸国の敵であるシオニスト体制にとっても、同じである。なぜなら、われわれは国民投票こそ、この体制の将来を決めるもっともよい解決法であると信じているからだ」と強調した。

 本紙ハムシャフリー紙アラーク特派員の報告によると、アラーク重水生産プロジェクトの開所式典に出席したマフムード・アフマディーネジャード大統領は、イランの若者たちや被抑圧者たちが先進技術を獲得したことを称賛し、「誰もイラン国民が選んだ道を、彼らから奪うことなどできない」と強調した。

 国家安全保障最高評議会議長を務めるアフマディーネジャード大統領は、イランの防衛ドクトリンには核兵器が存在する余地はまったくないと指摘した上で、「今日、イラン国民は核の平和技術を手に入れることを望んでいる。私はこの国民の願望を追求する責任があり、このことについては一切妥協しない」と付け加えた。

 同大統領はまた、次のように語った。「今日、われわれの核の平和活動に疑問を呈する者たちは、彼ら自身、国際的な権利と人権の最大の侵害者である。彼らは他国が核の平和技術を享受することを認めようとせず、この技術を自らの元に囲い込もうと努力している。そして、彼らは他国に対して強権的な物言いをしている」。

 さらに同大統領は次のように加えた。「私が世界の人々、西洋諸国に求めたいのは、イラン国民の本当の姿を受け入れよ、この問題に対して自らの目をしっかと開け、ということだ。われわれは自らの進歩を、世界の平和と安定のために用いている。悪意を持った敵が望むと望まざるとに関わらず、イラン国民は進歩へ向けて大きな一歩を踏み出す決断を下したのであり、そのためには努力を惜しまない」。

 アフマディーネジャード大統領は発言のその他の箇所で、「一部の者たちは核の平和活動を危険なものであるかのように見せかけようとしている。これに対してわれわれは、ちょうど人々が自動車生産工場を視察するように、原子力発電所に関しても〔容易に〕査察ができるよう、環境を整えねばならないと考えている」とも述べた。

 ▼ 重水の生産、拡大へ

 原子力庁長官は、純度99.8%の重水の生産によって、われわれは核技術の新たな領域に踏み入ることになると述べ、全国で重水の生産を拡大することに期待を表明した。

 レザー・アーガーザーデ原子力庁長官は、重水の供給・生産技術は核エネルギーの獲得を可能にするものだとした上で、「原子力庁の専門家たちは、重水という価値ある物質の生産能力を手に入れるために、基礎から設計作業を始めた。この道は、海外の技術に依存することなく、進められたものである」と述べた。

 メフル通信の報道によると、同長官はさらに「このプロジェクトは、世界の重水生産施設のなかでももっとも先進的なものであり、安全性や従業員らの衛生管理、環境への配慮などのすべての基準がクリアされている」と強調した。

 ▼ 重水年間生産量は80トン

 原子力庁長官は本紙ハムシャフリーとの単独インタビューの中で、重水生産過程について触れ、次のように語った。「第一ユニットの稼働に合わせて、第二ユニットも活動を開始する。各ユニットはそれぞれ8トンの普通の水〔軽水〕を重水に変換することが可能だ。この生産過程で、1リットルの水は約150倍に濃縮される」。

 同長官は、このプロジェクトでは、重水の生産能力は年間80トンにまで増強されると強調した上で、「現在のアラークの重水施設はIAEAの査察の対象となっているが、それは保障措置が定める協力に準拠したものであり、〔NPTの〕議定書によるものではない」と語った。さらに「この施設の最初の成果は、すでに1年前に生産されている。今日大統領出席のもと、〔正式な〕稼働が開始された」と付け加えた。

 また、モハンマド・サイーディー原子力庁国際問題担当次官は、本紙との単独インタビューで、アラーク重水生産プロジェクトが実現された過程について、「このプロジェクトは77年〔1998年〕に始まり、2年半の間、3交代制での昼夜にわたる作業の結果、今日1%の水が99.8%にまで濃縮されるまでに至った」と語った。

〔後略〕

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( 翻訳者:斎藤正道 )
( 記事ID:3354 )