スペインがUNIFIL派兵を決定(アル・ナハール紙)
2006年09月08日付 Al-Nahar 紙

■ アナン事務総長は封鎖解除の後の「拡大の平和」を模索
■ スペイン人民会議は「UNIFIL」へ1100人の兵士を派遣することを決定

2006年09月08日付アル=ナハール紙(レバノン)HP1面

【AFP、ロイター、AP、UPI】

 国連のコフィ・アナン事務総長はマドリード訪問の最終日に、レバノン南部に展開する国連レバノン暫定軍(UNIFIL)増強部隊の兵員数は、イスラエル軍が9月半ばにはレバノン南部から完全に撤退することを可能にするものであると述べた。その方向性をさらに補助する措置としてスペイン下院はUNIFIL増強部隊への派兵を決定した。兵員数は1100人に達する可能性もあるという。一方フランスは、イスラエルによる封鎖の解除の後、国連で「行動の条件」が明らかになれば、フランス海軍がレバノン領海の監視を行う用意があると明言した。

 アナン事務総長はスペインのホセ・ルイス・ロドリゲス・サパテロ首相との共同記者会見において、「9月半ばに入ればレバノン南部にUNIFIL部隊の兵員5000人が展開する。部隊の規模は、イスラエルの撤退を可能とするのに十分なものとなるだろう」と述べ、ヘブライ国家[イスラエル]がレバノン南部に十分な規模の国際部隊が展開することを撤退の条件に挙げていることを付け加えつつ、しかしそのために国連安保理決議第1701号の規定に従って15000人に達するUNIFIL部隊が展開を完了することは必要ではない、と述べた。

 アナン事務総長はスペインのUNIFIL部隊参加決定に感謝し、イスラエルのレバノンに対する封鎖の解除によって「恒久的停戦とレバノン・イスラエル間の情勢安定が達成されること」への希望を表明した。また今回の封鎖解除が「パレスチナ人やシリア人および全ての当事者を含む中東地域におけるより広範なプロセスへの進展」をもたらすことへの希望を表明した。

■ 全会一致

 その後スペイン下院は、野党勢力から一部批判があったものの全会一致で(賛成が過半数の306票、棄権2票)UNIFIL部隊への参加を決定した。

 ホセ・アントニオ・アロンソ国防相は、海軍歩兵部隊490人と陸軍兵士76人から編成される先遣隊はUNIFIL部隊増強のためにすぐにも派兵する準備ができていると語った。

 未確認の情報によれば、9月半ばにレバノンへ到着するために、スペイン軍の先発隊が今日から出発を開始するかも知れないとのことである。

 アロンソ国防相は議員たちの前で、「派兵は平和のための任務であるが、地域の情勢の不安定さに鑑みれば、明らかに危険を伴った難しい任務でもある」と述べた。

(後略)



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( 翻訳者:香取千晴 )
( 記事ID:3479 )