レバノン反対派勢力、ストライキを停止
2007年01月24日付 Al-Nahar 紙

■ 死者5人、負傷者133人が出た後、反対派勢力はストライキを中止 「他のかたちによる抗議行動」をとると威嚇
■ レバノン、争乱を乗り越える パリⅢ会議への道は開かれた
■ ワシントンは7億ドルの支援を約束 サウジ特使がテヘラン訪問

2007年01月24日付アル=ナハール紙(レバノン)HP1面

 「生が死に打ち勝った」という表現をもって著名な閣僚筋は、関係各方面に様々な試練を乗り越えさせた劇的な展開の後、夜になり中止される運びとなった反対派勢力のストライキの長い一日の出来事を集約した。治安部隊、その中でも特に国軍は、混乱を極めた状況で国内の平和を守るという試練を乗り越えた、親政府勢力は反対派勢力の圧力を前に屈しない意思を試され、公共生活を妨害するという反対派勢力の決定に挑戦した。また反対派勢力は、暴力の行使も付随して発生したストライキを成功させる力を試された。

 政府関係筋によれば、反対派勢力をストライキの停止へ動かしたのは、同盟者の参加なしに単独でストライキの継続が可能だというヒズブッラーの能力に表れている宗派的な現実に基づいて行動がなされていることが明らかになったことであり、さらにはイランのムハンマド・リダー・シャイバーニー大使が国内のいくつかの勢力と行った連絡協議や、「民主主義会合」代表ワリード・ジュンブラート議員が発した「もし治安部隊が出てこないのなら3・14勢力が今日ベイルートの封鎖解除に乗り出す」という警告もストライキ停止を後押ししたとのことである。

 地域的なレベルでは、本紙の得た情報によるとサウジアラビアの国家安全保障評議会議長であるバンダル・ビン・スルターン王子が今日テヘランを訪れ、レバノンの最新情勢についてイラン高官と協議する。

■ パリⅢ会議

時を同じくして、明日開催が決定されているパリⅢ会議の青写真が、国内情勢の現状に照らして明らかになった。フアード・アル=セニョーラ首相本人が会議に参加するか否かの決定は首相自身が下すと伝えられている。なおジハード・アズウール財務相とサーミー・ハッダード経済相、およびレバノン銀行のリヤード・サラーマ総裁は、会議の最終準備に参加している。彼らはミシェル・ファルウーン国会問題担当相とともに一昨日ベイルートを発ち、パリに向かった。

■ セニョーラ首相

セニョーラ首相は昨夜、エジプトのホスニー・ムバーラク大統領、スーダンのウマル・ハサン・アル=バシール大統領、アラブ連盟のアムル・ムーサー事務局長から電話連絡を受け、現在の状況について話し合った。公式の消息筋が付け加えたことによると、彼らは政府、セニョーラ首相の立場、レバノンの安定の回復に対する支援を強調した。

 セニョーラ首相は昨夜、中央治安会議の会合を開き、すべての治安責任者が出席した。会合では様々な面からの状況の検証が行われた。首相は反対派勢力がストライキ終結の決定を出す前にレバノン国民に対して声明を発表し、その中で「(...)我々は威嚇行為に反対し続けよう。ともに争乱に立ち向かおう。ともにレバノンのためにありつづけよう。」と述べ、「対立や抗争を街頭から国会をはじめとする合法的な憲政機関へと移そう。それには即座に臨時国会の開催の法令を出すことを要する」と呼びかけた。また、「国軍と治安部隊の任務は、公共の福利、公の秩序、国内の平和、法の尊重などの事柄について、軽視したりとやかく言うことを許さないことである」との見解を示した。

 またセニョーラ首相筋は、反対派勢力のストライキ停止の決定について、「民主制度のメカニズムを使った対話と相互理解と議論への復帰による以外に解決はありえない。なぜなら他のすべての解決法や手段は何の効果ももたらさないからである」とコメントした。

セニョーラ首相は昨夜、首相府にて3・14勢力フォローアップ委員会の代表を迎えた。同委員会は声明を発表し、「ベイルートの封鎖解除を行う決意」を強調した。

(後略)

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( 翻訳者:田中裕子 )
( 記事ID:10012 )