イラク難民問題で国連難民高等弁務官がシリア訪問
2007年02月10日付 al-Sabah al-Jadid紙

■ シリア内相:「イラク難民に対する我々の措置は、彼らの滞在を体系化するためのもの」

2007年02月10日付サバーフ・ジャディード紙(イラク)HP1面

【ダマスカス:クウェイト通信(KUNA)】

シリア内相バッサーム・アブドゥルマジード准将は、昨日行われた国連難民高等弁務官アントニオ・グテレスとの会談において、シリア政府がイラク難民に対して取っている措置は、彼らの滞在を組織的に整える目的で行われていると述べた。両者の会談は、イラク難民の現状、並びに在シリアの高等弁務官事務所が行っている活動に関する問題に集中して行われた。

内相は、内務省声明の通り、数千人単位で流入したイラク難民が経済・治安・社会面でシリアの負担を増している点、現在まで彼らに関し強制的な手続きが取られてこなかった点を確認し、その実数把握のため、公式の滞在許可申請を行うよう、避難民達に要請したことを明らかにした。内相は、シリアはこれまで、イラク人であれ他の国籍であれ、法に反しない限りはその国土から退去させた事は無いとしつつ、イラクから避難してきた同胞は賓客であり、他のアラブ国籍保持者同様ビザ無しでの入国が可能であるが、入国から15日以内に滞在許可を申請する義務があると述べた。また、シリアは常に、パレスチナを初め、昨年のイスラエルによる攻撃から逃れてきたレバノンの同胞等、アラブ諸国並びにその他からの避難民を寛容に迎え、援助を惜しんだ事はなかったと付け加えた。

グテレス高等弁務官は、大量のイラク難民を受入れ彼らの苦難を軽減すべく尽力してきたシリアに敬意を表し、これは国際社会が責任をもって支援すべき問題だと述べた。また、国連高等弁務官事務所は、来る4月にジュネーブでイラク難民問題検討のための会議を開催する予定である事を明らかにした。

シリア外相代理ファイサル・アル=ミクダードも高等弁務官との会談において、在シリアの避難民については、アラブ社会並びに国際社会の一員として責任を果たしてきたが、国際社会もまたその人道的・政治的責任を負うべきであると述べた。外相代理は、シリア政府によるイラク国民支援努力の姿勢を明確にしながら、他国への大量の難民と並んで、シリアへも100万近くのイラク人が逃れてきていると発言した。

他方、ライス米国務長官は、昨日の上院外交委員会で、イラク難民問題協議について在シリアの米外交団とシリア政府間でコンタクトが行われている事を明らかにした。長官は、この問題については外交団に一任されているとしつつ、シリアとの協議は多岐にわたるが、難民問題についての話し合いも不可欠である旨伝達したと表明。また、イラクからの大量の難民は、イランではなく主にシリアとヨルダンに重圧をかけている点を認め、合衆国は信頼関係にあるヨルダンとは先立ってこの問題を協議した経緯があると述べた。更に、国連難民高等弁務官事務所推定によれば、2003年以来イラク避難民の数は約200万、内50万がシリアへ逃れたとしつつ、来週行われるグテレス高等弁務官との会談の際に、これは人道問題であり合衆国としても多大な関心を有している点を伝えるとした。

これに対しチャック・ヘーゲル上院議員は、報告によれば、バグダード並びに地方の治安状況、現在起きている宗派間戦争を通じて、イラク人医師の少なくとも三分の一が国を脱出していると指摘、この問題解決のためには、イラクと大半の国境を接するシリア並びにイランとの協力が不可欠ではないかと問いかけた。合衆国は、シリアとイランに対し、武装民兵を支援し各派閥戦闘員の入国の便宜を図る事によってイラクの安定を乱し内政に干渉しているとの嫌疑をかけている。

グテレス高等弁務官は、7日水曜にアンマンで行われた記者会見においても、国際社会に対し責任をもつよう呼びかけ、ヨルダン、シリア等、少数の国だけがその責務を負うのは不公平ではないかと訴えた。また、イラク避難民の動きは、1948年のパレスチナ危機以来最大のものであり、国際社会は避難民達の惨状に理解が乏しいと述べた。弁務官は、理想的解決は、難民の第三国への帰化ではなく、イラク国内の政治・治安情勢を安定させ、自発的帰国を促す事だとの考えも明らかにし、合衆国他の国々に対する難民受入れ要請については肯定的な反応を得ているものの、イラク政府の一層の努力を期待するとした。

グテレス氏は、難民高等弁務官事務所のプログラムに対する支援を得るべく、サウジ、クウェイトも含む中東地域を歴訪し、その最終訪問地シリアではイラク避難民代表らと会談、彼らの現状を検討した。高等弁務官事務所によれば、イラクの情勢悪化以来150万がイラクを逃れ、その大部分がシリアとヨルダンに集中している。

8日木曜、イラク政府が発した声明をイラクの声通信が伝えたところによれば、アブドゥッサマド・ラフマーン・スルターン難民問題相は、国連難民高等弁務官と電話会談を行った。両者は、近隣諸国、特にシリア、ヨルダンにおけるイラク難民の苦難を軽減する一層の努力、イラクの治安情勢が改善されるまでの間彼らの居留に便宜を図る必要性、彼らの帰還はイラクにとって必要とされる点などで合意し、今後も連絡を継続するとした。

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(翻訳者:十倉桐子)
(記事ID:10161)