論説:イラク・バアス党の解体について
2007年02月14日付 al-Sabah al-Jadid 紙

■ バアス党の解体

2007年02月14日付サバーフ・ジャディード紙(イラク)HP1面

【アーザー・ハシーブ・アル=カルダーギー】

イラク全体、特にクルディスタンの安定のために不可欠なのは、バアス党のファシズム、民族主義的政治、圧政、野蛮な行いに決して戻らない事である。

その破壊的哲学、独善的な見解、集団殺戮、強制退去、略奪、化学兵器による攻撃、近隣諸国との戦争、この地域の利に背く陰謀、テロ支援等を繰り返さないこと。

秘密警察国家、ただ1人―アッラーが彼を守りたまうように―のための独裁国家、子どもの遊技場や病院に武器を隠匿するような国家へは戻らぬ事。

民族主義が瓦解する中で熱狂的にアラブ統一を求めたり、全アラブの自由を収監した刑務所内での自由を讃えたり、協力してイラク国民を困窮させ飢えさせるようなことを二度としない事。

アラブ統一の旗じるしの下にアラブ人を殺し、イラク統一計画の一環としてクルド人、アラブ世界の東の門ではイラン人を、共和国防衛隊のエルサレムへの通り道にいたクウェイト人を殺すような真似は二度としない事。

イラクの発展と安定、アラブ、クルド、トゥルクメン、カルディア、アッシリア各々の民が、自由で気高い生を送るためには、バアス党の政治文化には戻らぬ事が肝要である。

近隣諸国が脅かされる事なく協力と慈善の手をイラクへ伸ばせるようにするため、大西洋から湾岸までのアラブ世界発展のため、アラブ国家間、その政府、政治勢力間の争いを終結させるためにも、バアス党に帰ってはならない。

希望の光は、バアスの偶像が陥落し、罪の象徴は逮捕拘束され法廷に送られ、その頭目が処刑された事である。真に初のイラク国会選挙、イラク連邦の憲法制定、その中でも第140条の適用、各勢力の権利を基調とした予算の編成、これらはバアス党時代へ戻らない事を誓う重要な歩みであった。

一方、バアス残党の間には不和があり、喜ばしい事に我々は、闇の時代の終焉を見て、彼らが二度と戻って来ないであろうと確信する。内部分裂、背信容疑、怯懦、かつてバアス党員がその仲間―彼らにアッラーの恵みあれ―に対して用いていたバアス党の専門用語は広場を去った。

国境を越えてくる資金や武器を手に、イラク国内でギャング団を率いるサッダームの将校たちは、自らをバアス党指導部だとみなしている。サッダームのバアスに反対し、国外に住みながらイラク占領反対などと言っているバアス党も、自らを指導部とみなしている。イッザト・アル=ドゥーリー他バアスの象徴で、イラク解放の間に消え失せた者達は、他所のアラブ国家で自らをバアス指導部として取引していると聞く。

そして、沈黙して語らず何も明かそうとしないバアス党員たちがいる。彼らは、政治に少しでも関わるサークル内ではぴくりとも動かず、バアス内紛の結果を待っている。彼らはこういった内紛が何をもたらすか理解している。サッダームが政党支配の門口にやって来た時、同志たちに何が起きたかを忘れていないのだ。そして彼らは、互いを疑い裏切ろうとする。

既に重要な取り組みは開始された。中でも、既に擦り切れた組織の内部からバアス党を解散させる作業は重要であった。その中から、バアス党へは二度と戻らない兆しが現れた。イラク国民、アラブの人々、そしてこの地域と世界の全ての人々に恵みあれ。

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( 翻訳者:十倉桐子 )
( 記事ID:10183 )