ビルケント大生、留学先のアムステルダム大学でクルディスタン論争
2007年04月05日付 Hurriyet 紙

ビルケント大学3年のクヴァンチ・サウルさんは、エラスムス学生交流プログラムの枠組みを使って、アムステルダム大学で教育を受けるために留学している。
「エネルギーの供給ルートと安定確保」の講義を担当した中国人のガオ講師は、トルコ南東部を「クルディスタン」とし、ディヤルバクルをその首都と記した地図を使って、「エネルギー供給ルート」について説明した。


クヴァンチ・サウルさんは講義の最後に講師に抗議し、「この地図をどこで手に入れたのですか。トルコ領域内にある地域をどうして別の国として示したのですか。」と詰問した。講義を行った中国人講師は「このような地図はどこにでもある。」と主張し、この授業の責任者であるイラン系講師もサウルさんに反論した。サウルさんと一部のトルコ人学生たちは、ガオ講師に抗議し、礼儀をわきまえた抗議文を電子メールで送信した。ガオ講師は学生から受けた抗議について、「身の危険を感じる。」と学部長に訴えた。学部長はサウルさんを呼び出し、「先生に謝罪するか、そうでなければあなたの留学を終了させますよ。」と脅かした。

 サウルさんはすぐにトルコ大国民議会の国会議員を介入させた。公正発展党のトゥルハン・チョメズ議員は、大使館および外務省に電話をし、サウルさんへの支援を要請した。サウルさんは協力を求めるために送った書簡に、中国人講師に送った抗議文書も同封した。サウルさんは、議員宛の手紙の中で以下のように書いている。

■ 授業でクルディスタンの地図が使われた

私はこの大学で『グローバル政治とユーラシア』という授業をとっています。担当教員はメフディ・アミネフ教官(イラン系)です。この授業内容のひとつは当該地域でのエネルギー確保についてです。2007年3月15日、トンジ大学(Tong Ji University)から招かれた中国人講師が、エネルギーの安全確保について講義を行いました。講師の名前はガオ・ヘタン氏(Guo Xuetang)です。メフディ先生は『この講義への出席は必須だ。』とおっしゃいましたので、私たちも参加しました。パワーポイントによるプレゼンテーションの中で、一枚の地図が映されました。その地図は、トルコを通るパイプラインを示していました。ところがその地図では、東部アナトリアの首都がディヤルバクルと示されていました。そして 「トルコ・クルディスタン」と書かれた地域が示されていました。そのクルディスタン全域が、現在トルコ領域内である場所でした。

■間違ったことを教えている

 講義の最後に問題の地図をもう一度出してもらい、『あなたはプロの研究者です。そういう人の講義で間違った情報があったのでは説得力に欠けてしまいます。このクラスの学生に対し、そしてトルコ人の代表として私に対し、誤った内容を講義したことを謝罪してください。』と言いました。
中国人講師は、『この地図のどこが間違っているというのだ。この地域はどの地図にもこのように示してあるし、私が使っている資料でもこのように示されていた。』と言いました。
私は『それはあなたの国の公式かつ国家的な見解ですか。』と尋ねました。
するとメフディ先生が間に入って『この講義のテーマはエネルギー問題です。そんな発言をすべきではなかったのに。』と言い、私たちは激しい口論になりました。」

■謝罪するか、さもなくば帰国

 同じキャンパスで学んでいるトルコ人学生らは、サウルさんの先導で中国人講師に抗議するため電子メールを送った。標準的な抗議文として書かれた電子メールを受信後、中国人講師は大学側にトルコ人学生について苦情を訴えた。学部長はサウルさんを呼び出し、講師が身の危険を感じていること、講師への謝罪がなされなければ学生交流プログラムからはずされることになると伝えた。これをうけてサウルさんはトルコ大使館へ行ったが誰とも面会できなかった。その後、バルケスィル選出の公正発展党議員トゥルハン・チョメズ氏に手紙を書き、助けを求めた。チョメズ議員は外務省側に連絡をとり、サウルさんへの支援を要請した。サウルさんに関する処遇の決定まであと2日しかないことも明らかになった。
 サウルさんは、地図の版権がhttp://www.stratfor.com/ のサイトにあると強く訴えている。

中国人講師に送られた抗議文のオリジナルは以下のとおり。

■抗議メール文

ガオ・ヘタン博士
 2007年3月15日にアムステルダム大学で行われた講義で、先生はいわゆる『トルコ・クルディスタン』が、自らの国境をもつ別の国であるかのように示したトルコ地図を使用されました。しかしこのような国はトルコ領内に存在しません。アムステル大学のような高等教育機関において、このような誤った情報が受講者に流されたことを本当に遺憾に思います。誇りあるトルコ国家の一員として、我々はこのことに対する謝罪を求めると同時に、今後の研究においてこの問題をより注意深く扱ってくださることを望みます。

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( 翻訳者:湯澤芙美 )
( 記事ID:10569 )