パレスチナ大統領とイスラエル首相がエルサレムで会談
2007年04月16日付 Al-Nahar 紙

■ アッバース大統領とオルメルト首相が「政治的展望」について協議
■ イスラエルはアラブ和平提案について議論する構え

2007年04月16日付アル=ナハール紙(レバノン)HP1面

【ラーマッラー:ムハンマド・ハウワーシュ】

 昨日エルサレムにおいてパレスチナのマフムード・アッバース大統領とイスラエルのエフード・オルメルト首相の会談が行われたが何の進展も見られず、アメリカのコンドリーザ・ライス国務長官が呼びかけたように今後の交渉の基盤となりうる現実をかたちづくる政治的な展望をひらくためパレスチナ・イスラエル間の協議を行う用意がイスラエル側にあるのではないかとパレスチナ人たちに期待を抱かせるような展開は何らなかった。それどころかイスラエル側は逆にアッバース大統領を不利な立場に追い込む行動に出ており、 パレスチナ自治政府におけるファタハの最大の協力者であるイスラム抵抗運動「ハマース」に所属していることを理由にパレスチナ立法議会のアズィーズ・ドゥワイク議長を起訴するとともに、オルメルト首相はアラブ諸国との交渉を望んでいると発表した。それはあたかもアッバース大統領はパレスチナ問題の将来的解決においていかなるパートナーにもなりえないと考えているか、パレスチナ問題はイラン核開発問題と比べればまったく重要でないかのような行動である。

■ オライカート氏

 パレスチナのサーイブ・オライカート交渉団長は、アッバース大統領がオルメルト首相に対して、アラブ諸国が和平を戦略的な選択肢とすることで合意に到ったアラブ和平提案の重要性を説明したことを明らかにした。

 オライカート氏は会談の直後にラーマッラーで開かれた記者会見において、「会談では67年以来続いているイスラエルによる占領の終結とパレスチナ人の独立国家の建設に向かわせる和平プロセスを単なる議論から脱却させる方法について話し合われた」と述べ、パレスチナ人たちが「和平プロセスをめぐる響きのよいだけの表現に飽き飽きしている」状態であると指摘した。さらに「2002年のターバーにおける会談以降初めて、今回のオルメルト首相とアッバース大統領の会談では最終的な解決やパレスチナ国家の建設や両国家間の関係のありようなどの政治的課題について言及がなされた。そのなかには国際法や国連決議に基づいて公正に解決されなければならない主権や国境やエルサレムや難民の問題も含まれていた」と付け加えた。

(後略)

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( 翻訳者:垣平浩明 )
( 記事ID:10697 )