国際法廷設置案をめぐる国連法律顧問の折衝、不調に終わる
2007年04月21日付 Al-Nahar 紙

■ ラッフード大統領、家族同伴でカタール訪問へ
■ 教育局長および身分法局長、任命
■ 閣僚会議、あらためてセニョーラ首相に国連への法廷設置要請を委ねる
■ ミシェル法律顧問「個人の訴追からの保護についてはヒズブッラーと見解一致せず」

2007年04月21日付アル=ナハール紙(レバノン)HP1面

 [ハリーリー元首相らの暗殺に関する]国際的な性格を有する法廷の設置規定草案に対する反対勢力側の見解を得るという国連の試みは昨日、何の成果も得られないまま公式に終了した。これによって、政府が国連に対して、機能停止に陥っている国内の憲政メカニズムから遠くはなれて法廷を設置する選択肢に依拠するよう要請を行う可能性が再び生まれてきた。

■ 閣僚会議

 国連事務総長の法律顧問であるニコラ・ミシェル氏が火曜日に始まったレバノンでの任務の終了を発表し、「情勢はよくない」と発言してから数時間後、閣僚会議は昨夜の会合においてフアード・アル=セニョーラ首相に、国連が必要と考えた場合には適当な時期に適切と考える方法で法廷設置規定を承認するよう国連に書簡を送ることを委任した。

 この公式には発表されていない委任にあたっては、ミシェル法律顧問が任務を完了する余地を残すため書簡の送付に猶予がもうけられている。ミシェル顧問は「今後数日間のうちにレバノン各派の努力が成功すること」に希望を表明し、ベイルートで自らが行った連絡協議については潘基文国連事務総長が来週ダマスカスへ到着する前に「概要」の報告が完了していることになるだろうと説明した。

 しかし昨日の閣僚会議での協議内容から見るかぎり、ミシェル法律顧問が反対派勢力の見解を得るという点については何ら前進は実現されていないようである。

 閣僚たちの議論は国連憲章第7章に従って法廷設置規定の承認を要請する件をめぐって行われ、要請の適切な形式については最終的にセニョーラ首相に委任することが決定された。

■ プーチン大統領とプローディ首相

 セニョーラ首相は閣僚会議において、ロシアのプーチン大統領およびイタリアのプローディ首相と行った協議について報告した。ガーズィー・アル=アリーディー情報相によると首相は「プーチン大統領が国連安保理決議第1701号の履行を支持していること」に感謝の意を表明したという。

 また閣僚会議ではセニョーラ首相が今後2日のうちにターリク・ミトリー外相代行とともにエジプトを訪問し、ホスニー・ムバーラク大統領をはじめとする政府首脳と会談する意向であることが報告された。

■ 人事

 また閣僚会議は昨日の会合において、ファーディー・ヤラク氏を教育局長に、ナダー・アル=カスティー氏を個人身分法局長に任命した。しかし会議では、ベイルート県知事の候補でモーリース・ファーディル議員の子息であるロベール・ファーディル氏が家庭問題を理由に就任を辞退したため、各県の新任知事の任命は延期された。

■ セニョーラ首相

 イランの『エッテマーデ・メッリー』紙は昨日セニョーラ首相へのインタビュー記事を掲載した。イランのメディアにおいてこの記事が公開されたことは特別な意味合いをもっている。セニョーラ首相はイラン政府に対して、「国家を空洞化させるようなやり方ではなく、国家同士のやり方で対応するよう」呼びかけた。セニョーラ首相は「考えてみてください。我々レバノンの側がイラン国内の一部の集団のみと交渉しようとする。…そんなことはイラン国内の誰も納得しないでしょう」と述べ、「(ムハンマド・リダー・シャイバーニー)レバノン駐在イラン大使は我々との接触を停止し、後ろ向きの立場をとっている…反対派勢力の座り込みが始まる数日前からです」と明らかにした。

 またセニョーラ首相は、「(最高指導者)ハメネイ師はレバノン国内でアメリカを打ち破ると言っている。…しかしレバノンが戦場だなどと誰が言ったのですか?」と付け加えた。

■ ラッフード大統領

 エミール・ラッフード大統領は、カタールのハマド・ビン・ハリーファ・アール・サーニー首長の招聘で経済会議に参加し、首長夫妻の招きで家族(妻アンドレ、息子のエミールとラルフ、娘カリーン)とともに1週間を過ごすために明日カタールへ向かう予定である。

(後略)

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( 翻訳者:香取千晴 )
( 記事ID:10753 )