ギリシャ人欧州議会議員、EUにアヤソフィアの鳩を抗議 
2007年05月22日付 Hurriyet 紙

欧州議会のギリシャ人議員、イアンニス・グラヴァキス氏は、アヤソフィアに住みついている鳩が歴史的建造物に被害を与えていると主張し、この件に関してEUに介入を求めた。

グラヴァキス新民主主義党議員は、アヤソフィヤがギリシャ人にとって高い精神的価値のあるものだと述べ、歴史的建造物を鳩から守れるようにEUに資金援助も要請した。

ギリシャの与党、新民主主義党(ND)に所属し、欧州議会委員のイアンニス・グラヴァキス氏はアヤソフィヤ博物館に住みつく鳩の巣について、欧州委員会に責任を問い、介入することを求めた。

グラヴァキス氏は、欧州議会に提出し、欧州委員会の回答を要求した質問書のなかで、先日イスタンブルを訪れた際に訪れたアヤソフィヤに多くの鳩がいたこと、そしてこれらの鳩の一部がこの歴史的建造物の内壁に巣をつくっていることを明らかにした。同議員は、鳩がアヤソフィヤに与えた害に加え、悪臭を放っていると述べ、鳩の糞も別の問題として存在すると強調した。

質問書のなかでグラヴァキス議員は、「アヤソフィヤの窓、アーキトレーブ、床などすべての場所が鳩のしたいように放置されている」と述べた。そして同議員は、鳩の糞が他の鳥よりも比較的早く腐敗の原因となる特質をもつことも明らかにし、「調査によると、ある建物に鳩が集まるようになると、その建物の寿命は50%短くなる可能性がある」と述べた。

グラヴァキス議員は、アヤソフィヤのいくつかの場所に、ロンドンやベネチアで使用されている、鳩の進入を防ぐ鉄条網を張ることを提案した。そして欧州委員会が鳩からこの歴史的建造物を守るために費用を割り当てるように要請した。

■資金を要請
グラヴァキス議員は、アヤソフィアは「ギリシャ人にとって高い精神的価値を持つもの」と述べ、「どこにあるかに関わらず、この建築は諸文明のなかのひとつの架け橋となっている。アヤソフィヤは全人類のものなのだ。」と語った。

このような単純なことに当事者が対策を講じないのは驚くべきことと語るクラヴァキス議員によれば、アヤソフィアはオスマン帝国期に「多大な損傷を受けた」という。

欧州議会議員のイアンニス・グラヴァキス氏(58)は、1922年にアナトリアからギリシャへ移住した一家の子息だ。グラヴァキス家はギリシャで最も大きな苗床を所有している。

■見当はずれの苦情

匿名希望のある博物館関係者はヒュッリイェト紙に次のように述べた。
「アヤソフィヤのドームの内側の高い部分に巣を作った2,3匹の鳩がいる。これらの鳩が、博物館の歴史的テクスチュア、装飾、モザイクに害を与えることは考えられない。我々は、鳩が博物館内に入らないようにドアに鉄条網を取り付け、ガラスの割れた窓の修理についても作業を実施している。苦情については、鳩の問題が悪用されて、イデオロギーの問題に持ち込まれていると思う。見当はずれの苦情だ」

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( 翻訳者:大田垣綾子 )
( 記事ID:10957 )