レバノン南部からイスラエルにロケット弾発射、ヒズブッラーは関連を否定
2007年06月18日付 Al-Nahar 紙

■ スファイル総大司教「2つの政府、2つのレバノン」の可能性を警告 ラッフード大統領は選挙実施の大統領令署名を拒否
■ 「出所不明」のロケット弾がUNIFILに挑戦、イスラエルを攻撃
■ ヒズブッラーは関連を否定、オルメルト首相は報復せず

2007年06月18日付アル=ナハール紙(レバノン)HP1面

 イスラエル北部に昨日午後ロケット弾3発が発射されたことについて、ヒズブッラーは一切の関連を否定し、イスラエルはいかなる報復も行わなかった。ロケット弾は「パレスチナ勢力系」のものであるという疑惑が囁かれているが、いずれにせよ今回の事件は、レバノン軍とレバノン南部に駐留している国連レバノン暫定軍(UNIFIL)増強部隊の活動地域に対する初めての侵犯行為であるとともに、7月の戦争の停止以来初めての国連安保理決議第1701号に対する違反であり、きわめて危険なものであることに変わりはない。

 今回の事態の危険性は二つの事柄に集約される。第一に、治安当局とレバノン軍ならびに国連軍は数週間前、ナフル・アル=バーリド難民キャンプでの戦闘発生直後、国連軍を狙った攻撃をに備えて厳重な警戒態勢をとっていたということ。第二に、ロケット弾の発射が、今回の治安に対する侵犯行為の目的をめぐって疑惑をかきたてるような場所とタイミングで行われたこと。というのもロケット弾はアダイサとタイイバの間のオリーブ畑から発射され、これはレバノン国軍や国連軍、さらにはこの地域を影響下に置いているヒズブッラーに対する挑戦的な行為である。またタイミングについては、ロケット発射がパレスチナ自治区における情勢の展開と結びついたものなのか、それともレバノン軍と国家と国連軍を狙った攻撃の一環であり一連のテロ攻撃と結びついたものなのかをめぐって、専門家の意見は割れている。

 発射された「カチューシャ」ロケット弾3発のうち2発はイスラエル北部のキルヤト・シェモナに、もう1発は国連軍の拠点に近いハウラの町に落下した。その後4発目のミサイルが発射地点で未発射のまま見つかり、レバノン軍が解体処理した。レバノン軍とレバノン治安当局は、ロケット弾を輸送したとみられる「トヨタ」のレンタカーの捜索を開始した。レバノン軍司令部は事件について声明を発表し、今回の行為は国連安保理決議第1701号の条項に違反していると指摘し、「南部の治安と安定を弄ぶ行為」に対して警告を発し、「今後のいかなる企ても阻止するに十分な措置を講じた」と発表した。

(後略)

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( 翻訳者:鳥居洋介 )
( 記事ID:11211 )