ハーメネイー最高指導者、コム市民数千人を前に演説「イランの力はイスラーム世界の支え」 イラン紙
2007年01月09日付 Iran 紙

2007年1月9日付イラン紙

【政治部】神の大祭、ガディール・フンムの祝日〔※後注〕に際し、イスラーム革命最高指導者のアーヤトッラー・ハーメネイー閣下は昨日、コムの様々な階層の民衆数千人を前に、このめでたき日を祝う中で、ガディールの出来事はイスラームの偉大さや普遍性を示すものであり、またイスラームが将来を見据えた宗教であることを表しているとした上で、次のように論じた。「今日のムスリム、特にウラマー、知識人、指導者、政治家たちの最も重要な義務は、これまで以上にイスラームの統一のために尽くし、イスラーム的な覚醒を促し、イスラーム世界における不和や分裂を防ぐ事である」。
〔※ガディール・フンムの祝日:シーア派の祝日のひとつで、巡礼月18日に当たる。預言者ムハンマドが最後のメッカ巡礼から戻る際、ガディール・フンムという場所で、アリーをイスラーム共同体の後継指導者に選出したと言われる(「ガディールの出来事」というのも、このことを指す)。〕

(中略)

 彼は、〔ガディール・フンムで預言者ムハンマドがアリーをイスラーム共同体の後継指導者に指名したという〕このような重大な出来事が、ムスリム間の対立を助長し、イスラームを弱体化させる口実として用いられてはならないと強調し、「敵はガディールの問題を、ムスリム間での同胞殺し、紛争、流血の惨事の口実に仕立て上げようとしており、そうせずには満足しない。従って、シーア派信徒は、このような陰謀の手助けをするようなことを述べたり、行ったりしてはならず、スンニー派信徒の同胞も、敵が偏見や宗教的感情を悪用することに対し警戒・注意しなければならない」と指摘した。

 さらにアーヤトッラー・ハーメネイー閣下は、イラク、アフガニスタン、レバノン、パレスチナにおけるアメリカの政策は失敗に終わっており、アメリカの政治家たちもこのことを認めているとした上で、さらに次のように付け加えた。「この失敗を受け、強権的な抑圧主義体制、中でもその筆頭にいるアメリカは、イランにおいてイスラーム共和国の旗が掲げられたことに端を発する、日増しに増大するイスラーム的覚醒の流れに対抗するために、シーア・スンニー両派間の分裂を引き起こそうとしている。よって、イスラーム世界、特にムスリムの知識人やウラマーは、様々な階層の人々に対する啓蒙に努力し、ムスリムの団結と同胞愛が必要だと声高に叫ばなければならない」。

 彼はまた、イスラーム革命の勝利の当初から、地域の国々にイラン・イスラーム共和国を脅威とみなすよう仕向けた、敵のプロパガンダに言及し、「イスラーム諸国、特に地域の国々の指導者や政治関係者らは、イスラームの威厳とイラン・イスラーム共和国の力が自国の支えとなり、また力となるということを知るべきだ」と述べた。

 革命最高指導者は、アメリカがイスラーム諸国に対して強権的な言動をする根本の原因は、彼らの弱さにあるとし、「アメリカは常にシオニスト強奪政権に貢ぎ物を贈り、その代わりに一部のアラブの国々から年貢をゆすり取っている。従って、もしそれらの国々が偉大なる力〔イスラーム共和国のこと〕に頼るならば、決してアメリカに貢ぎ物を贈るようなことは必要なくなるだろう」と強調した。

 アーヤトッラー・ハーメネイー閣下は、アメリカがイギリスやアラブの数カ国とともに反イラン同盟を結ぼうとしているとの分析や兆候、情報に言及して、「このような同盟は、イスラームの威厳を担い、そのために大いに尽くしてきた国民と敵対する、邪悪で不浄な二つの国と協力しようとするものである。従って、アラブの国々は、この危険な罠に警戒しなければならない」と述べた。

(中略)

 アーヤトッラー・ハーメネイー閣下は、科学技術を含む様々な分野におけるイランの進歩はイスラーム世界の進歩に他ならないとした上で、「我が国の成果としての核エネルギーは、イラン国民とイスラーム世界の栄誉の源である。もし一部のアラブ・イスラーム諸国が、米英と同盟を結び、制裁を課す事で、シオニスト体制を喜ばせ、この強奪者のご機嫌を取ろうなどと考えるならば、それは政治的に誤ったものである」と加えた。

 革命最高指導者はさらに、「言うまでもなく、イラン国民が自らの権利を断念する事などあり得ない。体制の責任者もまた、この偉大な成果を放棄することは許されない」と述べた。

(後略)

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( 翻訳者:真塩和也 )
( 記事ID:4349 )