アラブ連盟特使がベイルート再訪、仲介は不調(アル・ナハール紙)
2006年12月12日付 Al-Nahar 紙

■ アメリカ、シリアとのいかなる交渉も改めて拒否 フランスはレバノン政府支援を強調
■ 閣僚会議は国際法廷草案の確定をもってラッフード大統領に返答
■ セニョーラ首相が近くモスクワ訪問
■ ムーサー事務局長がスローガン「勝者なく敗者なし」

2006年12月12日付アル=ナハール紙(レバノン)HP1面

 アラブ連盟の特使であるスーダンのムスタファー・ウスマーン・イスマーイール大統領顧問が昨日ベイルートを再訪したが、危機に対するいかなる実質的成果にも至らなかった。明らかなのは、政府内の全閣僚数の3分の1を反対派勢力が要求している問題や、その他の大きな問題の優先度をめぐる強い確執が依然としてあるということであり、スーダン特使が得た最大の成果は、彼の提案に対して原則的には前向きの協力姿勢が示されたことであった。

 政府高官らの中には、本日午後2時にニューヨークからベイルートに到着するアラブ連盟のアムル・ムーサー事務局長の訪問がもたらす成果に期待する者もいるが、彼が新たな提案などを携えているのでない以上、その動きが辿る運命に関しても疑念が高まっている。そのような疑念が生じたのは、ナビーフ・ビッリー国会議長が昨日訪問者たちに対して、自分がムーサー事務局長のベイルート再訪を促したわけではなく、事務局長の方から再訪を考えているともちかけられ、それを歓迎したのだという経緯を率直に語ったことが明らかになった後である。さらにビッリー国会議長は訪問者たちに、ムーサー事務局長に提示すべき新しい事柄はまったく無いと伝えた。またビッリー議長は、スーダン特使の投げかける考えに関して基本的に問題はないが、フアード・アル=セニョーラ首相の立場について特使がビッリー議長に伝えた内容には危機を打開するようないかなる新しい事柄もなかったと語った。訪問者たちによればビッリー国会議長はイスマーイール特使の話から、セニョーラ首相が特使に新しいアイデアを提案したとの情報を得た。それは座り込みや街頭行動をやめ、国際法廷設置問題や大統領選挙、組閣の問題などを対話会議や国会で協議するというものである。ビッリー国会議長は率直に、現在の危機について、今なお危機の影響を免れている唯一の憲政上の機関たる国会の議題として取り上げることは考えられないと述べ、「あらゆる合意の合法性を確立するために国会を開催することを呼びかけるが、対立が国会に持ち込まれた場合、野党議員57人が辞任しないと誰が保証するのか?その場合、国会とその役割はどうなってしまうのか?」と問いかけた。

(後略)



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( 翻訳者:鳥居洋介 )
( 記事ID:4274 )