ブーシェフル原発への核燃料の最終便、イラン側に引き渡される
2008年01月29日付 Jam-e Jam 紙

【政治部】ブーシェフル原発用の核燃料の最終便となる第8便が、ロシアからイランに運び込まれた。

 イラン原子力エネルギー生産開発社は、「今回の核燃料の到着により、ブーシェフル原発用の燃料の搬送作業は終了した。これにより、計82トン、濃縮度1.6%から3.6%の原発用の第一期燃料のすべてが、付属的な設備とともにロシアからイランに搬送されたことになる」と発表した。

 同社の発表によると、アーザル月26日〔12月17日〕に始まった8回にわたる核燃料の搬送作業は、あらゆる安全基準を遵守した上で無事終了したという。また、第1便から第7便までは、各便8分の1以上の燃料が搬送されたとのことで、今回の最終便では、8分の1以下の燃料がイランに運び込まれたとのことである。

 先のアーザル月〔11月下旬~12月下旬〕に原発用燃料の第1便が納入された際、イラン原子力庁長官は、「この〔ブーシェフル〕原発は来年〔3月20日~〕には、我が国の電力供給システムの中枢に組み入れられることになるだろう」との見通しを語っていた。

 レザー・アーガーザーデ長官はその際、ブーシェフル原発の完成度は95%であるとした上で、同原発に燃料が搬送されたことはイランと国際原子力機関(IAEA)との協力関係とともに、イラン核問題が正常化の過程を経つつあるとのメッセージを示すものだとも述べた。

 「イランが核燃料を受け取ったことは、イラン核問題に大きな影響を世界に対してもたらすだろう。特に、ロシアが5プラス1グループの一員であり、国連安保理で拒否権を有する〔ことを考えれば、その影響は極めて大きい〕」。アーガーザーデ長官はこのように述べ、さらに次のように付け加えていた。「ロシアがイランとの核協力の継続を表明し、イランによる核活動が平和利用を目的としていることを証明するものとして、IAEA報告書を評価するならば、それは当然、2万メガワットのイラン原子力開発にとって最初の第一歩となるものである」。

 ロシア外務省も当時、次のような発表を行っていた。「〔ロシアが〕イランに対して核燃料を輸出したということは、同国が自らの核計画に関して〔十分な〕信頼醸成措置をとったということを意味している」。このように、ロシア外務省はイランへの核燃料の引き渡しに関して、平和利用を目的とした自らの核計画に対する信頼回復へ向けた条件を、イラン当局が整えたと見なしたのである。

 一部の西側政治専門家らは、ロシア政府がブーシェフル原発で必要とされる核燃料の〔イランへの〕引き渡しに同意したことは、イランに対する制裁の強化を図っていたホワイトハウスにとって敗北を意味する、との見方を示している。

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( 翻訳者:斉藤正道 )
( 記事ID:13006 )