外務報道官「ウラン濃縮停止はこれまで通り拒否する」
2008年06月24日付 E'temad-e Melli 紙

 イラン政府は、〔イランと5+1グループがそれぞれイラン核問題をめぐって提示した〕2つの包括提案の共通項を探るための協議を行う用意があると発表した。

 EUの外交責任者であるハビエル・ソラナ氏のテヘラン訪問の際、〔国連安保理常任理事国とドイツからなる〕5+1グループによる包括提案が提示されたが、それより前、イランは自らの包括提案を各国に送付していた。

 このことに関し、イラン政府は以前、我々の包括提案に対する西側からの回答を待ち、回答があった後に5+1による包括提案を検討する旨を発表していた。イラン政府は両者の包括提案の共通項をめぐって話し合いを行う用意があることを発表しているものの、依然として自らの提案に対する〔5+1の〕正式な回答を待っている状態である。

 外務省報道官は昨日、2週間ぶりに開かれた週の定例記者会見において、イラン政府内で5+1の包括提案について検討が行われていることを明らかにし、イランはこの問題に対する回答を適切な時期に公表すると約束した。

 外務省報道官の言によると、イランは相手側の各国もイラン政府の包括提案に相応の関心を払ってくれることを期待しているという。イラン政府はまた、包括提案の検討が完了した後、自らの回答を公表すると約束した。

 外務省はこのことについて、正確な調査を行い、提案の諸側面を検討した上で、正式な回答を提示する必要があるとの見方を示している。

 ホセイニー外務報道官は同時に、イランは2つの包括提案の共通項に関して協議を行う用意があると指摘し、さらに以下のように語った。「イランとヨーロッパは世界の安定と安全を確保することにおいて、多くの能力を有している。話し合いのチャンスは、〔世界の安定のために〕協力を始めるチャンスであって、このチャンスを逃してはならない」。

 同報道官はさらに、「相違点については、協議の中で話し合うことが可能だ」とも述べた。外務省は、双方の共通項は協議への道を開く契機となりうるのであり、相手側〔=5+1〕はこのチャンス・状況がもつ真の価値を認識する必要があるとの考えを示している。

ウラン濃縮の停止に関するイランの立場は何も変わっていない

 ホセイニー外務報道官はこれまでと同様、ウラン濃縮の停止という選択肢に正当な論理を想定することはできないとの姿勢を示し、次のように語った。「この問題に対するイランの立場は変わっていない。結果的にイラン国民が自らの当然の権利を失うことになるような要求は、提案されるべきではない」。

 イランは5+1による包括提案を検討する際、より一層の考慮を払うべきだと考えている人々も一部にはいる。というのも、イランは間近に迫る国連安保理による〔制裁〕決議に直面しているからだ。

 このことに関しホセイニー報道官は、イラン政府はあらゆる点を考慮に入れているが、制裁決議が採択され、あるいは決議が間近に迫っているとしても、自国民の権利を放棄することにはならないと強調した。

 外務省はこのことに関し、制裁決議の採択へ向かう現在の流れは誤ったものであり、イラン・イスラーム共和国は〔国民の権利という〕原則に則り、また外交的な手順を踏まえながら、自らの目的を合法的に追求するとのこれまでの姿勢を堅持している。

〔後略〕

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( 翻訳者:阿部文美 )
( 記事ID:14206 )